研究課題/領域番号 |
22000011
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
財満 鎭明 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70158947)
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研究分担者 |
竹中 充 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20451792)
坂下 満男 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30225792)
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
竹内 和歌奈 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90569386)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | CMOS / ゲルマニウム / スズ / 歪 / エピタキシャル成長 |
研究概要 |
シリコン超超大規模集積化回路の持続的発展に向けたCMOSの電流駆動力向上に必須となる、高移動度チャネル技術創成のためのひずみゲルマニウム系新規材料開発およびその電子物性設計指針の構築を目指している。平成24年度に得られた主な成果を以下に記す。 (1)Si(110)上へのGeSn成長において、Snを含まないGe層のエピタキシャル成長に比較して、双晶欠陥の形成が抑制できることが明らかになった。高移動度GeSnチャネルの実用化が加速するものと期待できる。(2)p+-Ge/n-Ge基板界面における接合リーク電流を、p+-Ge層への数%のSn導入によって抑制できることが明らかになった。ソース・ドレイン領域のリーク電流低減が実現できる。(3)InP基板上に形成したSn組成10%のGeSnエピタキシャル層において、150℃の低温Sbドーピング成長を行った結果、固溶限界を超える5E19cm-3の高電子密度GeSn層の形成に成功した。(4)Ge基板上のPr酸化膜における化学結合状態を、その上層に成膜したゲート金属材料の還元性によって制御できることを実証した。(5)プラズマ後酸化を用いた作製したAl2O3/GeO2/Ge MOS界面を用いた高性能Ge pMOSFETの動作実証に成功した。また、プラズマ後酸化を用いて作製した貼り合わせGe-on-Insulator基板の貼り合わせ界面をC-V特性で評価することで、高品質界面の形成に成功していることを実証した。(5)ナノビーム電子回折法をもちいた格子歪み解析法の高精度化を行い、界面近傍10nm以内の領域で格子定数を0.02%の精度で決定する手法を開発した。また、超高圧電子顕微鏡をもちいた収束電子回折およびナノビーム電子回折による実デバイスに近い厚膜試料の歪み解析を行うための準備を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GeSn層の電子物性および従来のGe系材料に対する様々な優位性も明らかになってきた。また、GeSnのデバイス応用に向けた、結晶成長技術、ドーピング技術、MOS界面制御技術なども構築されてきた。さらに、ひずみGeおよびGeSn MOSFET特性の評価に向けたプロセス構築、ナノ界面におけるひずみ構造評価技術も構築され、最終年度に向けた準備状況が整った。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発したプロセス技術あるいは物性評価技術を統合して、ひずみGeあるいはGeSnチャネルを用いたMOSFETの構築を進め、キャリア物性を明らかにし、移動度向上の実証を目指す。
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