研究分担者 |
細田 耕 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (10252610)
長井 志江 大阪大学, 工学研究科, 特任准教授 (30571632)
荻野 正樹 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00397639)
吉川 雄一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (60418530)
成岡 健一 大阪大学, 情報科学研究科, 特任研究員 (30588356)
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研究概要 |
本研究課題の目標は,構成的手法を用いて,自己/他者認知の発達過程を理解することであるが,初年度の22年度は,その研究推進のための各種プラットフォームの開発と,予備的実験を実施し,来年度以降の実験に備えた(番号は学会発表リスト順). 1. 愛着形成を通じた発達研究のための写実的な子供型表情表出ロボットAffettoの頭部を設計し,表情表出の予備実験を行った.YouTubeに動画を掲載したところ,数日で10数万以上のヒットを得,多くのコメントは意図通りのものであったので,養育者側の情動を引き出せる段階に達したものと判断した(1) 2. 環境との物理的な相互作用は,乳幼児にとって外界を知覚し働きかける上で重要な過程であり,そのためのプラットフォームとして,ヒト型の皮膚および筋骨格系を備えた赤ちゃんロボットの開発を行なった(2) また,触覚センサを有するヒト型のハンドによる触認知実験を行い,プラットフォームとしての有用性を検証した(3) 3. 幼児が自己認知する上で,動きの随伴性か顔自身への親近感かが好まれるかを検証するのに必要な,実時間の顔画像スワッパーを開発し,心理実験に耐えることを確認した(4) 4. 親子間相互作用時の行動解析として,画像信号に依存した視線の動きと,タスクのゴールを意識した視線の動きをロボットの視覚注視機能を用いて再現し,それぞれに応じた人間の親様動作教示法を解析した(5, 6) 5. 本研究課題の中心テーマである自他認知に関して,未発達の視覚により,混同された視覚情報の状態から,自己と非自己に分離し,さらに非自己が自己の運動と連合した記憶を持つことで,ミラーニューロンシステムの原型をモデル化し,実験を通じて検証した(7).また,顔認識(個人同定と表情認識)に関して,階層的表現により,段階的に分離(認識)していく過程を再現するモデルを構築し,ヒトとサルの顔に適用し,有効性を検証した
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