(1)培養チャンバーユニット:マウス・ラット幹細胞の組織培養できるように、10mm角程度の空間を有する培養チャンバーユニットを、マイクロ光造形と、新開発の生体適合化プロセスにより作製した。チャンバーには、培地循環用の流路と、温度制御モジュールが接続され、自動制御することにより、幹細胞培養の大幅な省力化を達成した。 (2)膜マイクロ流路ネットワーク:培養チャンバー内部で、3次元組織内の物質交換、および分化誘導剤のピンポイント投入を行うための、膜マイクロ流路ネットワークを開発した。膜マイクロ流路は多孔生体適合性ポリマーで作製され、流路内外の物質透過が可能である。 (3)ナノファイバースキャフォールド:培養チャンバー内の、膜マイクロ流路以外の空間に、幹細胞が接着・増殖できるように、ナノファイバーカプセルを用いた新構造スキャフォールドを開発した。ナノファイバーカプセルは、生体適合性ポリマーからなり、100nm程度の不織布状表面形態と、φ数μmの中空カプセル構造を有し、細胞の接着と、空隙を利用した培地・薬剤の導入が効率的に行える。 (4)細胞操作ナノアクチュエータシステム:チャンバー内でナノアクチュエータを自由自在に駆動し、単一細胞レベルの操作・刺激を行うため、ナノ光造形により、光トラップによる液中駆動可能なアクチュエータを開発した。さらに、これまで2次元に限られていた操作・観察系を、3次元で可能にするため、新たな光学系とソフトウェアの統合システムを完成させた。
|