研究課題/領域番号 |
22222003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹沢 泰子 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70227015)
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研究分担者 |
石井 美保 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
高階 絵里加 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80324698)
瀬戸口 明久 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (90419672)
日下 渉 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80536590)
加藤 和人 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10202011)
太田 博樹 北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)
斉藤 綾子 明治学院大学, 文学部, 教授 (90339573)
川島 浩平 武蔵大学, 人文学部, 教授 (60245446)
坂野 徹 日本大学, 経済学部, 教授 (70409142)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 人種 / 人種主義 / 差別 / 表象 / 科学言説 / マイノリティ / エスニシティ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、可視的・非可視的双方の人種の表象についてグローバルな観点から共同研究を行い、日本から発信することであり、本年度事業としては以下のような研究会を実施した。 人文科学研究所における共同研究として、平成25年4月にロサンゼルスのHapa Japan 2013の会議で、工藤正子、エドワード須本、渡会環、竹沢泰子がミックスレイスについて報告した。同月に日本学術会議と公開シンポジウム「中等教育でまなぶ『人種』『民族』とヒトの多様性」を共催し、研究成果の発信と教育現場への問題提起を行った。その他、若手研究者対象の国際ワークショップ等含め計10回の研究会を開催した。 繰り越し事業として、平成26年4月に国際人類学民族科学連合(IUAES2014)のパネルを主催し、Faye Harrison氏、Gyanendra Pandey氏らを招いて活発な議論を行った。6月に国際ワークショップ「Transpacific Japanese/Asian American Studies: Dialogue Between Scholars in Japan and the U.S」を開催した。10月に、国連・人種差別撤廃委員会の前委員のPatrick Thornberry氏を招聘し、マイノリティ研究会と「人種差別撤廃条約における「世系(descent)」について」を共催した。研究代表者は、11月にコロンビアのバジェ大学にてアジアと英語圏における人種表象について報告を行い、現地最大手の新聞にも取り上げられた。12月にデラウェア大学のKaren Rosenberg氏を招き、ヒトの多様性・ジェンダー・セクシュアリティに関する文理融合ワークショップを開催し、初年度から取り組んでいる文理融合研究をさらに発展させた。平成27年3月には、南カリフォルニア大学と国際会議「Transpacific Convergence: Studying Nikkei and Race in the U.S. and Japan」を共催した。また、引き続き、平成27年秋に東大出版会から出版予定の全三巻の論集「人種神話を解体する」の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「中等教育でまなぶ『人種』『民族』とヒトの多様性」、国際人類学民族科学連合(IUAES2014)の報告書を刊行した。平成26年4月に国際ジャーナルBMC Medical Ethnicに掲載された共著論文”Human Genetic Research, Race, and Ethnicity and the Labeling of Populations: Recommendations Based on an Interdisciplinary Workshop in Japan” は3か月で2000件以上のアクセスがあり、Highly Accessedと永久認定された。また、平成27年5月に国際ジャーナルJapanese Studiesの特集号 “Rethinking Race/Racism from AsianExperiences”(Koichi Iwabuchi and Yasuko Takezawa eds.)に”Translating and Transforming ‘Race’: Early Meiji Period Textbooks” (Takezawa) が掲載予定である。 このほか、年間約15回の国際シンポジウム、国際セミナー・研究会等を初年度から毎年開催し、研究代表者は、国際会議での招待講演も13回行っている。
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今後の研究の推進方策 |
学術書の出版:(1)シリーズ『人種神話を解体する』竹沢泰子(編集責任)東京大学出版会の準備を進める(第1巻『Invisibility「見えない人種」の表象』、第2巻『Knowledge 科学と社会の共生産』、第3巻『Hybridity 「血」の政治学を越えて』)。(2)英語論文集 Racialization and Resistance among Japanese Americans, Yasuko Takezawa and Gary Okihiro eds., の修正(2016年University of Hawaii Pressより刊行予定)。(3)英語論文集Race Beyond the Western Paradigm, Yasuko Takezawa ed.の準備を進める。 国際会議・共同研究:(1)平成27年夏に文理融合セミナー「人文学とゲノムのインターフェース PartⅣ」を開催予定。(2)平成27年9月~12月に、研究代表者がプリンストン大学にて共同研究を行う。
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