研究課題/領域番号 |
22223001
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研究種目 |
基盤研究(S)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
辻中 豊 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70145944)
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研究分担者 |
森 裕城 同志社大学, 法学部, 教授 (70329936)
坪郷 實 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20118061)
大西 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90254375)
小嶋 華津子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00344854)
坂本 治也 関西大学, 法学部, 准教授 (30420657)
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キーワード | 政治変動 / 市民社会 / 圧力団体 / 利益団体 / 一党優位政党制 / 比較政治 / 民主主義 / 制度遺産 |
研究概要 |
本研究は、日本における政権変動、政策パラダイムの変化といった一連の政治変動が、どのような衝撃を政策過程や市民社会に与えるかを、複数レベルの調査を行い検証することである。初年度には研究組織と役割分担を確定した。さらに海外の協力研究者も交え、日本の政治変動の比較政治的な位置づけの検討を行い、次年度以降に実施する調査仮説群の検討を行った。検討には2つの文脈がある。 第一は、ポスト一党優位政党制の文脈である。日本は1955年以後2009年まで自民党がほぼ政権を担うという一党優位政党制であった。日本を位置づけるために、政治変動に伴う諸外国での政治構造の変化、政策過程、圧力団体、市民社会の変化の検討である。日本の対照国として、かつて一党優位政党制とされたスウェーデン、イタリア、イスラエルをおき、国際比較研究集会を開催し、6カ国17名の外国研究者を含めた討議を2日に亘って行った。一党優位政党制であった4カ国において、(1)長期の一党優位政党制「支配」の遺産とは何か、(2)長期の一党優位政党制「支配」が民主主義に対していかなる相違をもたらしたか、を政治体制、政治システムレベルで検討し、(1)支配遺産に関して、1)政策レベル、2)政策形成過程、3)主要な投票ブロックの政治配置、4)政党システム、(2)民主主義での相違に関して、1)政党の支配が「広範」性と遺産の強固さ、2)政党支配の「長期」性と遺産を乗り越える困難性についてそれぞれが検討されるべきと結論した。 第二は、平成21年まで行われた特別推進研究等での13カ国調査結果の分析から、今回の政治変動にともなう仮説群の抽出と体系的な検討である。特に日本全国での社会団体、自治会、NPO、自治体調査を、県庁所在地都市の比較研究として進めること、国勢調査など他のデータと関連づけること、中国、アメリカ、ドイツでの2回の調査分析、10-13カ国比較からの仮説の提出(例えば、イデオロギー分布曲線と政治の安定性)がなされた。
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