本研究課題では,政策情報供給の効果を検証するとともに、立法府の政策情報公開を促進し,政府に関する情報公開の包括化を図っていく.また,立法府の政策情報を英文でも公開・発信し,わが国の国会や立法に関する国際的な理解・研究の基盤整備を提供するとともに,政策的知識やIT・言語能力に制約されない電子化情報の公開方法を試行し,政策情報公開のユニバーサル化を目指す.平成26年度においては以下を実施した. 1.情報公開の効果検証:情報開示請求データベースの機能を拡充し,対象自治体を大幅に増加させた.また,キーワード検索を請求案件名だけでなく,請求案件に付随する情報についても可能とした. 2.立法情報のデータベース化:国会審議映像検索システムについて,会議録の文字情報と審議映像動画の同期自動化プログラムを改善するとともに,検索対象の審議動画を拡充し,再生機能の改善を図った.学術的には,8月のアメリカ政治学会,10月の情報処理学会で,国会審議映像検索システムの概要と活用方法について論文を報告した.また,社団法人政府資料等普及調査会が収集してきた府省庁の報告書等の政策関連資料を保管し,電子化の方策を引き続き検討した. 3.比較立法情報・英文データ化:外国議会や国際機関の提供するデータベース,その運用方法についての調査を継続し,政治指導者の国際的データベース開発を目指す欧州政治研究学会のSEDEPEに日本担当として参画した.学術的には,日本の閣僚に関する論文を公刊し,ドイツで開催されたワークショップに参加し,国会の衆参ねじれ状況が立法に及ぼす影響を分析した論文を報告した. 4.情報公開のユニバーサル化:本研究課題のウェブサイトを拡充した.とくに,国会審議映像検索システムは,審議映像動画をタブレットで再生することを検討する一方,検索語入力を英文でも可能とするとともに,キーワード検索の履歴作成機能を追加した.
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