研究実績の概要 |
平成26年度は、本科学技術研究費の最終年度にあたることから、これまでの研究成果の報告ととりまとめを中心に活動した。 まず平成26年5月には、東京で開かれた第3回World KLEMS Conferenceの無形資産のセッションにおいて、集計レベルの無形資産投資データを使った分析の報告を行った。また、management practicesに関するインタビュー調査の結果を分析したものとして、宮川他と淺羽・川上の2本の論文を経済産業研究所のDiscussion Paperとして公表した(平成26年8月)。宮川は、management practicesに関するインタビュー調査の結果を使った分析を平成26年7月に北海道大学で、無形資産と企業価値に関する論文を、平成26年8月に第33回International Association of Research on Income and Wealth General Conferenceで報告している。 さらに、平成26年9月には、無形資産に関する分析を集めた和文の書籍を作成するため、宮川・淺羽・細野が中心となって、コンファレンスを学習院大学で開催した。このコンファレンスでは、9本の論文が報告された。これらの報告論文は改訂後、平成27年度に東京大学出版会から出版される予定の論文集に収録される予定である。 また平成24年12月に学習院大学で開催されたミクロデータを使った無形資産投資に関するコンファレンスでの報告論文は、平成27年1月にSpringer社より、Intangibles, Market Failure, and Innovation Performance (Bounfour パリ第11大学教授と宮川の共同編集)として出版された。 無形資産投資に関する分析成果を、より多くの人に理解してもらうべく、これまでの分析成果をまとめた論文(「無形資産投資と日本の経済成長」)を経済産業研究所のPolicy Discussion Paperとして公表する予定である。加えて平成27年3月11日には、日本経済新聞の「経済教室」において、宮川が設備投資の活性化策について議論をした際に、無形資産投資の重要性についても言及している。
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