研究実績の概要 |
本研究の主目的は、各国の人々の意識構造の統計科学的解明にある。特に、アジア・太平洋諸国の人々の意識構造について統計科学的「標本抽出法」に則った面接調査を遂行すること、アジア・太平洋諸国民の「信頼感」のあり方に焦点を当て、世界の政治・経済の平和的発展の一助となる基礎情報の収集を推進させること、収集した「アジア・太平洋諸国民の意識調査」の情報を既存の「意識の国際比較調査データ」とともに、世界へ一般公開することを主な課題とした。 本年度は、まず、前年度から繰り越した作業として、インド2013調査及びベトナム2013調査の報告書を発刊した。その上で、本プロジェクトの最終年度として、22年~ 25年度に収集した各国の調査データを総合的に分析し、総合報告書の作成と調査データ公開を進めた。この過程で、総合的なデータ分析の一環として、前年度に遂行した「第13回日本人の国民性調査」の時系列解析と交絡させ、各国の人々の意識構造の安定性と変容を解析した。特に、各国の「信頼感」等については、国際社会学会ISA及びアジア世論調査研究ネットワークANPOR等で講演した。また、学術誌Behaviormetrika において、特集号The Asia-Pacific Values Surveyを組み、Vol.42,No.2(July 2015)で発刊されることとなった。 総合報告書は、統計数理研究所・調査科学研究リポートNo.117として発刊され、国内外に配布された。また統計数理研究所のウェブサイトにおいて、過去の一連の調査とともに、データや関連情報が公開されている。http://www.ism.ac.jp/~yoshino/index.html 成果は、「第13次日本人の国民性」調査結果を中心とするの記者会見においても発表され、新聞、テレビ、ラジオ、インターネット等々の記事として扱われた。
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