研究課題
本研究の目的は、前研究で完成させた世界初の宇宙遠赤外線干渉計FITE(Far-Infrared Interferometric Telescope Experiment)の基線長を20mまで延伸して、遠赤外線波長帯において空間分解能1秒角を達成することであった。大規模星形成領域をこの分解能で遠赤外線観測を行い、ダスト分布の空間情報を得ることであった。この装置を科学観測用大気球で打ち上げるためにオーストラリアの気球フライト基地から打ち上げる計画であったが、この気球フライトを担当するJAXA宇宙科学研究所の気球観測事業の年次計画の変更によって、本研究期間内にフライトが実施されないことになった。フライトが延期になったために当初の研究目的は達成不可能になった。しかしながらこの期間において、さまざまな改造を施し、高性能化を図ってきた。遠赤外線センサーについては新たに、80チャンネル並列のプリアンプ+24ビット分解能A/D変換回路の製作を行い、10の6乗を越えるダイナミックレンジを確保した。またフライト前に干渉計を調整する必要があるが、この作業に必要な日数の短縮のために干渉計調整機構を新たに開発した。さらにフライト中の広い視野スターカメラの画像データを高速で処理する手法も開発した。JAXA宇宙研の気球観測事業としては2017年度に海外適地(オーストラリア)での実施を計画しており、我々の実験が採択されている。なおフライト実施のために計上していた経費については、前述の装置改造に部分的に使用し、残額を返却する。これらの研究成果については国際研究集会や国内学会にて多数回発表を行うとともに、本研究の天文学的研究目標である円盤ダスト分布の研究については、他の公開データを使用するなどで関連研究を進めて、成果を学術論文として発表した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)
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