研究課題
これまでの期間にスピン軌道相互作用を用いたスピン生成・制御・検出の基本要素技術を実現してきた。また、永久スピン旋回状態の電界制御による実現に成功した。H26年度はこれらのスピン要素技術を統合しスピンデバイスの実現に向けた研究を行った。ゼーマン効果と2つのスピン軌道相互作用の作る有効磁場の競合により、半導体細線構造ではRashbaスピン軌道相互作用とDresselhausスピン軌道相互作用の比がフィッティングすることなく直接求められることを実験的に検証するとともに、永久スピン旋回状態を実現した。この結果は最終的にNatureNanotchnology誌(9巻703(2014)に掲載され、同誌のNews&Viewsの解説記事の中で紹介された。また本内容は科学新聞(2014年8月1日)にも取り上げられた。InGaAs系半導体二次元電子ガスのヘテロ構造を最適化することにより、永久スピン旋回状態と逆永久スピン旋回状態の間をゲート電界によるスイッチングの実現に成功した。本結果は相補的スピントランジスタの実現に向けた要素技術となる。また面直磁化を有するFePt/MgO/GaAsの界面作製条件を最適化し、光学的なスピン検出とハンル効果により面直スピン注入を確認した。スピン軌道相互作用の強い半導体二次元電子ガスから作製したスピン生成用とスピン検出用の2つの量子ポイントコンタクト(QPC)からなる磁気フォーカス実験を行った。2つの量子コンタクトをスピン偏極させると、スピン偏極していない場合に比べ検出側のQPCに流れ込む電流が増大しスピンの検出が可能であることを示唆する実験結果を得ることに成功した。この結果は全て電気的にスピン生成・検出が可能であることを示している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (25件) (うち招待講演 6件) 備考 (2件)
Phys. Rev. Lett.
巻: 114 ページ: 016601-1 -5
10.1103/PhysRevLett.114.016601
Jpn. J. Appl. Phys.
巻: 54 ページ: 04DM05-1 -6
10.7567/JJAP.54.04DM05
J. Phys. D: Applied Physics
巻: 48 ページ: 164003-1 -5
10.1088/0022-3727/48/16/164003
Solid State Phenomena
巻: 50 ページ: 100-105
Nature Nanotechnology
巻: 13 ページ: 703-709
10.1038/NNANO.2014.128
Key Engineering Materials
巻: 616 ページ: 247-251
10.4028/www.scientific.net/KEM.616.247
Applied Physics Express
巻: 7 ページ: 093001-1 -4
10.7567/APEX.7.093001
応用物理学会誌
巻: 83 ページ: 200-205
IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS
巻: 50 ページ: 2600204-2600207
10.1109/TMAG.2014.2325942
http://www.material.tohoku.ac.jp/~kotaib/top.html
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/07/press20140714-01.html