研究課題/領域番号 |
22226007
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研究種目 |
基盤研究(S)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岩本 光正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40143664)
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研究分担者 |
間中 孝彰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20323800)
田口 大 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特任助教 (00531873)
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キーワード | フレキシブル膜 / 光第2次高調波発生 / 有機エレクトロニクス / 単分子膜ドメイン / キラリティー / マックスウェル変位電流 |
研究概要 |
本研究の目的は、分極現象の源である永久双極子の動的挙動の評価を可能とするMDC(マックスウェル変位電流測定)と、過剰電荷と高強度レーザ光の相互作用がもたらす非線形分極現象を通じて電子輸送を可視化とするEFISHG(電界誘起光第2次高調波)測定を用いることで、フレキシブルな有機材料に潜む独特な分極構造・電子輸送を観測・解析し、有機デバイスを評価・解析するための手法を確立することである。本年度は計画の初年度であるため、計画を進める上で中心となる各種測定系の構築、および準備測定から進めた。中心となる装置は、フェムト秒波長可変レーザシステムであり、これは水面上単分子膜のSHGイメージング測定および、有機デバイス用の時間分解測定に用いられるものである。現在、この装置は立ち上げの途中である。 これらの装置の立ち上げと並行して、現有しているナノ秒のレーザシステムによって評価も継続した。例えば、強誘電性高分子を用いたMIM構造素子における電荷注入の検討や、絶縁膜にナノ粒子を混合させたFET構造素子やダイポール性の単分子膜を挿入した素子における閾値電圧のシフトについて詳細に検討を行った。また、有機ELに代表される2電極系の積層構造素子に対して、時間分解SHG測定により、各層の電界強度分布の時間変化を検討し、2層界面における電荷挙動に関して検討を行った。 一方で、有機分子膜のフレキシブル性に関する検討として、以前から研究を進めていた水面上単分子膜におけるドメイン構造に関しても評価をおこなった。いわゆる水面上L膜において、膜の圧縮に伴ってドメイン形状が離散的に変化していく様子を確認することができた。
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