研究概要 |
1)水チャネル: AQP4を中心に研究を進めており、脂質膜の中で構造を解析できる電子線結晶学の長所を生かした解析で、水チャネルの選択的透過機構を深く理解できるようになった(Biochem. Biophys. Acta., 1840, 1605-1613 (2014))。ノックアウトマウスではWTとの違いが無かったが、構造に基づいて、310へリックス部分をAQP1タイプに改変したAQP4を発現するマウスのグリアルラメラでは接着構造が消えることを確認した。 2)イオンチャネル:電位感受性Na+チャネルの2つのコンフォメーションを電子線結晶学により構造解析して、ゲーティングに重要と思われる4つの要素を同定した(J. Mol. Biol., 425, 4074-4088 (2013); 表紙)。 3)ギャップ結合チャネル:コネキシンの構造解析から、プラグゲーティングモデルを提案したが、無脊椎動物のギャップ結合チャネル分子、イネキシンの構造を解析して、コネキシンの6量体とは異なり、8量体を形成することを発見した(J. Biol. Chem., 288,10513-10521 (2013))。 4)クローディン:アセチルコリン受容体のゲーティング機構を解明して目標を達成した。それゆえ、研究を続けてきたクローディンの構造と機能研究に中心を移して、初めての構造解析に成功した(Science 344, 304-307 (2014))。 5)H+,K+-ATPase:H+,K+-ATPaseのように厚い2次元結晶を電子線結晶学を用いて解析するときには試料のチャージアップと乾燥による結晶の劣化が問題である。その問題を解決するカーボンサンドイッチ法の優位性について統計的測定を行った(Microscopy 62, 597-606 (2013))。
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