研究課題
基盤研究(S)
本研究は転写後の遺伝子発現調節機構に着目し、ncRNAやmRNAが有する質的な側面、特にRNAの転写後修飾に着目し、RNAが関与する遺伝子発現調節機構の探究と高次生命現象との関係について理解を深めることを目的としている。ヒトおよびマウス脳由来RNAにおける新規A-to-Iエディティング部位を網羅的に探索するため、当研究室で開発されたICE法とdeep sequencingを組み合わせた新手法(ICE-Seq)を実施した。その結果、ヒトに関しては約3万か所のイノシン化部位を検出したが、既知部位の除去と検証作業の末、約2万か所を新規部位として同定することに成功した。mRNAのCDS内には81か所の新規部位を見出した。このうち54か所はアミノ酸の置換を伴うエディティングであった。またnon-coding領域内において、Alu配列以外に、DNAレトロポゾンなど他の反復配列中にイノシン化部位を見出した。現在投稿論文を準備中である。マウスにおいても、ICE-Seqのデータ解析が終了し、検証作業もほぼめどがついている。さらに当研究室が同定した新規修飾アグマチジンの生合成機構を詳細に解析した。アグマチジン修飾酵素TiaSはタンパク質とRNAの両方の基質をリン酸化する新規のキナーゼドメインを有するタンパク質であることが判明した。この成果は、Nature Structure & Molecular Biology誌に2報のarticleとして発表された(10/16付)。
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