研究課題/領域番号 |
22228001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河田 照雄 京都大学, 農学研究科, 教授 (10177701)
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研究分担者 |
高橋 信之 京都大学, 農学研究科, 助教 (50370135)
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キーワード | 肥満 / エネルギー代謝 / 脂肪細胞 / 褐色脂肪 / メタボリック症候群 / メタボリック症候群 |
研究概要 |
前年度に引き続き、主に下記の項目について研究を行った。 (1)組織型褐色脂肪および非組織型褐色脂肪の発生・分化機構に関するin vivo実験系の確立: 動物個体内で組織型および非組織型褐色脂肪がどの位置にどの程度、存在しているかを個体レベルで定量・定性的に検討するため、褐色脂肪特異的に発現する遺伝子の遺伝子発現を制御する領域(プロモータ)を利用し、褐色脂肪のみを特定のレポーター(蛍光タンパク質(FP)・リジンリッチタンパク質(LRP))でラベルしたトランスジェニック(Tg)マウスの作成・解析を行った。 (1-a)FPレポーターTgマウス:小動物用蛍光イメージング装置および共焦点レーザ走査型顕微鏡による解析(担当:河田、高橋、坂本) 既存のTgマウスと本申請研究で作製するUCP-1プロモータFPのTgマウスとを掛け合わせることで、さらに詳細な褐色脂肪の発生・分化過程に関する検討を行っている。FGレポーターTgマウスの蛍光シグナルの検出は、ヒトの肉眼では識別が困難な赤色FGを用いて、多色検出が可能になるよう実験系をデザインした。また、本研究で申請している共焦点レーザー走査型顕微鏡により、細胞1個の挙動まで検討できる空間分解能を確保できる。これにより、in vivoでの詳細な解析を行っている。 (1-b)LRPレポーターTgマウスの作製と磁気共鳴イメージング(MRI)による解析(高橋、坂本、松田(研究協力者:京大情報学研究科) レポーター遺伝子LRPシグナルの検出をMRIによって行っている。動物個体を輪切りにしたMRI画像を重ねることで、動物個体もじくは組織の立体画像を構築し、褐色脂肪の発生・分化過程を空間的・定量的に検討している。本申請研究で作製するUCP-1プロモータLRPのTgマウスのMRI解析も松田教授に研究協力者として参画願い、研究体制の強化を図っている。 (2)新規褐色脂肪細胞株を用いた褐色脂肪発生・発達の分子細胞生物学的なin vitro解析 (2-a)褐色脂肪発生・分化過程における内因性調節因子の探索と同定(河田、高橋) 褐色脂肪への分化誘導処理を行ったhMDSの遺伝子発現を、経時的に未分化な状態のhMDSとDNAマイクロアレイ法やサブトラクションPCR法などにより比較することで、hMDSの褐色脂肪分化に必須な調節因子の同定を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ、交付申請書で記載した計画通りに進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
目的とするトランスジェニックマウスの作成とその利用効率を上げるために「繁殖」の効率化を図るとともに、UCCPI発現低下マウスとの交配による新しいコンセプトのモデル動物の作出を図る。
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