研究課題
本研究課題は生体が機能性食品因子を感知するメカニズムを解明することを目的として、 1)機能性食品因子の生体内標的分子とその関連分子(機能性食品因子感知関連分子)の同定、2)食品因子の生理機能発現の生体内イメージング、3)食品因子のメタボロミクスと感知メカニズムの統合解析、4)食品因子の感知システムの分子疫学的検証の各観点から研究を行った。感知分子の同定に関し、共役リノール酸の感知関連分子として同定していた候補遺伝子の機能性発現における関連を明らかにした。大豆イソフラボンの一種であるダイゼインならびにその代謝産物であるイコールのエストロゲン受容体非依存性作用を担う分子が実際にこれら大豆イソフラボンによって活性化されること,また,その活性化によって機能性(細胞増殖抑制活性)が発現する機序の一端を明らかにした。緑茶カテキンEGCGシグナリングのセカンドメッセンジャーとして見出したcGMPがEGCGのがん細胞増殖抑制作用のみならず脂質代謝改善作用にも関与することを見出した。緑茶カテキンEGCGの機能性発現過程を可視化するためのプローブとしてEGCGの蛍光標識体を作成し,マウスに移植した腫瘍を本蛍光標識EGCGを用いてin vivo可視化することに成功した。これまでに,緑茶カテキン EGCG ならびにその代謝物(グルクロン酸抱合体ならびに硫酸抱合体)を同時にin situイメージングすることに成功した手法を応用し,加水分解型タンニンの一種であるストリクチニンのin vivoイメージングに世界に先駆けて成功した。食・生活習慣と機能性食品因子感知関連遺伝子発現との関連を解析し,緑茶の摂取量と大豆リン脂質感知遺伝子ならびに脂質感知遺伝子の発現量に相関があることを見出した。
2: おおむね順調に進展している
1)機能性食品因子の生体内標的分子とその関連分子(機能性食品因子感知関連分子)の同定、2)食品因子の生理機能発現の生体内イメージング、3)食品因子のメタボロミクスと感知メカニズムの統合解析、4)食品因子の感知システムの分子疫学的検証の各観点から研究を遂行し、いずれの研究項目においても計画通りの成果が得られている。
これまで通り,1)機能性食品因子の生体内標的分子とその関連分子(機能性食品因子感知関連分子)の同定、2)食品因子の生理機能発現の生体内イメージング、3)食品因子のメタボロミクスと感知メカニズムの統合解析、4)食品因子の感知システムの分子疫学的検証の各観点から研究を遂行する。次年度は緑茶カテキン感知レセプター67LRのノックアウトマウスならびに組織特異的ノックインマウスの作成にならびにそれら遺伝子改変マウスを用いた機能性解析に注力する。また,緑茶カテキンセンシング経路の解析は他の機能性食品因子感知機構の研究を進める上でパイロット研究としての役割を果たしており,この研究を軸として展開していく。
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