研究課題
本研究課題は生体が機能性食品因子を感知するメカニズムを解明することを目的として、 1)機能性食品因子の生体内標的分子とその関連分子(機能性食品因子感知関連分子)の同定、2)食品因子の生理機能発現の生体内イメージング、3)食品因子のメタボロミクスと感知メカニズムの統合解析、4)食品因子の感知システムの分子疫学的検証の各観点から研究を行った。食品因子感知システムに関して、緑茶カテキンEGCGシグナリングのセカンドメッセンジャーとして見出したcGMPがEGCGの膵臓がん幹細胞の形質(stemness)を強力に阻害することを明らかにした。また、PDE3が膵臓がん幹細胞に高発現しており、PDE3阻害剤とEGCGの併用によりstemnessをほぼ完全に抑制できること、EGCGのメチル化誘導体が単独で同程度の効果を発揮できることを示した。EGCGの67LRを介した抗炎症作用のメカニズムとして、Elf-1の核内発現量を低下させることでTLR4シグナリングの阻害因子の発現量を上昇させることを見出した。共役リノール酸の感知関連分子として同定していた2つ候補遺伝子の機能性発現における関係をより詳細に示した。大豆イソフラボンのエストロゲン受容体非依存性作用を担う分子の機能性発現機序として、マイクロRNAの発現誘導が関与していることを明らかにした。緑茶カテキン類(EC, EGC, ECG)およびそれらの代謝物(メチル化体、グルクロン酸抱合体、硫酸抱合体)の質量分析イメージングに世界に先駆けて成功した。また、これらカテキン類を同時に経口投与したマウスの各臓器における可視化にも成功し、それぞれを単独に摂取させた場合と比較してその局在に違いが有ることを見出した。食・生活習慣と機能性食品因子感知関連遺伝子発現との関連を解析し、複数の食品摂取量と相関のある感知関連遺伝子を明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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