研究課題
リンパ球共通前駆細胞分画をNotch1あるいはNotch4を発現するストローマ細胞株上で培養することでNH細胞の分化を誘導できることをこれまでに明らかにしたが、今年度はNothの発現レベルを調節できる細胞株を用い、Notchシグナルの強度、シグナルの持続時間、IL-7の濃度を変化させて分化を検討した。Notchシグナルが強い場合にはT細胞が優位に、弱い場合あるいは無い場合にはB細胞が優位に、中間の場合にNH細胞が優位に分化した。シグナルの持続時間に関しては、長い場合にT細胞が優位に、短い場合あるいは無い場合にはB細胞が優位に、中間の場合にNH細胞が優位に分化した。IL-7の濃度に関しては高い場合にB細胞とNH細胞が優位に分化し、低い場合にT細胞が優位に分化した。これらの結果から、IL-7とNotchシグナルの強度と持続時間の違いによってT細胞、B細胞、NH細胞の分化の方向が調節される可能性が示された。また昨年見いだした、Linマーカー陰性、α4β7インテグリン陽性でIL-7Rを高発現する前駆細胞は他のグループによってCHILPと命名されたが、この細胞はすでにNotchシグナルを受けており、この細胞から NH細胞が分化する際にはNotchシグナルは不要であった。鉤虫Nippostrongylus brasiliensis感染の肺ステージにおいて、NH細胞由来のEotaxinとIL-5が好酸球増多を誘導することが感染防御に重要であることを示してきたが、この過程で、I型とII型の両方のインターフェロンとIL-27がNH細胞の増殖やサイトカイン産生を負に制御することを見いだした。インターフェロンとIL-27は喘息などのアレルギー性炎症においても同様に負の調節機構として機能しており、I型サイトカインがNH細胞を介したアレルギー性炎症のフィードバック系であることを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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