ソフトウェアの新たなモジュール機構としてコンテキスト(文脈)指向プログラミングに着目し、それに基づいたプログラミング言語の試作を通して言語機構の研究を連携研究者らと協力しながら実施した。その研究成果をもとに 2014 年にはコンテキスト指向プログラミングに関する国際ワークショップ COP'14 を連携研究者らが主導して開催した。また 2013 年6月、9月、12月、2月、そして 2014 年12月の計5回の研究集会を各回10人前後で開催し、連携研究者らと研究協力を推進した。その中で、研究代表者はプログラムの静的なモジュール構造をコンテキストとみなしてコンテキスト指向プログラミングの考え方を適用したモジュールシステムを持つプログラミング言語の研究をおこなった。我々はクラスによるソフトウェアの階層的分割もアスペクトによる横断的分割もともに高度な dispatch 機構を導入することで統一的に取り扱えるという知見を持っている。この dispatch 機構に対する条件付けがコンテキストであると考え、破壊的継承機構が衝突するような場合でも、静的なモジュール構造をコンテキストとして dispatch 機構を拡張することでうまく衝突を回避できることを示した。
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