研究課題/領域番号 |
22240005
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
横田 治夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (10242570)
|
研究分担者 |
小口 正人 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (60328036)
宮崎 純 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (40293394)
天笠 俊之 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70314531)
波多野 賢治 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (80314532)
小林 隆志 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (50345386)
|
キーワード | 省電力 / ストレージ / データ配置 / 高信頼 / 検索 |
研究概要 |
平成23年度においては、平成22年度に検討した性能と消費電力の均整化に関する検討に基づき、新たに検索履歴やファイルアクセスの関連性に基づく配置手法の提案を行った。関連する複数のデータへのアクセスは近いタイミングで連続して起きやすいと考えられるため、関連するデータ同士を同じディスクに集中配置することで他のディスクへのアクセスを抑え消費電力を下げることができる。ファイルアクセスの関連性に基づく配置手法については、事前に収集したアクセスログをバッチ処理的に解析してデータ再配置を行う静的なアプローチと、アクセス情報をオンラインで収集して動的にデータ再配置を実行する動的なアプローチの2つを検討した。 またそれと同時に、これまでに提案してきた信頼性向上のためにプライマリ・バックアップ構成をとりながら、それを有効利用することによって効率的にスピンアップとスピンダウンを制御して省電力化を行う手法についても、さらに電力削減効果を改善する方法を検討した。格納されたデータに効率よくアクセスするためのインデックス構造に情報を付加することで、検索処理における省電力化を行う方法に関しても検討を行った。それらの検討を基に、平成22年度に検討した評価用の負荷モデルと平成22年度に開発したストレージシミュレータを用いて、性能と消費電力を均整化させる手法、ファイルアクセスの関連性に基づく配置手法、プライマリ・バックアップ構成において効率的なディスクアクセスによって省電力化する手法、インデックスへの付加情報によって省電力化する手法について、それぞれの効果を詳細に評価し、査読付きの国際会議で発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
性能と消費電力を均整化させる手法、ファイルアクセスの関連性に基づく配置手法、プライマリ・バックアップ構成において効率的なディスクアクセスによって省電力化する手法、インデックスへの付加情報によって省電力化する手法について、それぞれの効果を詳細に評価し当想定通り改善できたことを確認した。また、従来方式に比べて電力効率が良いことも評価によって示されている。
|
今後の研究の推進方策 |
シミュレーションと並行して、平成22年度に準備した実際のHDDと電力測定環境を用いて、それぞれの手法に対して実機による実験を行い、同様の構成におけるシミュレーションの結果と比較することで、シミュレーションの正当性を示す。また、これまでのストレージに関する省電力化の研究結果を基に、そのストレージを用いた検索処理においても省電力化する方法に関して検討を進める。
|