研究分担者 |
來村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20252710)
古崎 晃司 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00362624)
笹嶋 宗彦 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (80402999)
林 雄介 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (70362019)
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研究概要 |
1.オントロジー構築パターンと上位オントロジー(その2) (1)ロールパターン作成(その2):ロールと深く関連する部分(Part)の記述パターンを豊富にした.電車にとって必須のレールが電車の部分ではないのはなぜか?などのように「部分」の定義と認定などの未解決問題を解く理論を構築すると共に,部分の同定を支援するパターンを開発した. (2)上位オントロジー(その2) (2-1)イベントとプロセスの区別:行為や問題解決行動はイベントやプロセスとしてモデル化され,両者は対象世界モデリングの根幹であるにもかかわらず,良く理解されていない.これらの性質は行為のモデル化では根本的であるため,昨年度に引き続き考察と定式化を進めた.更に,イベントはコンテキスト依存性を持ち得ることを加味してパターン,及び上位オントロジーとしてまとめ,問題解決行為のオントロジー構築の理論的基盤を固めた. (2-2)方式の収集と体系化 機能オントロジーにおける機能分解木と方式ベースの役割に習い,一般行為分解木とそれを支える方式を上位オントロジーに位置づけると共に,その獲得支援及び方式ベース構築を支援するツールを整備した. 2.知識システム指向のオントロジー・知識ベース構築方法論(その2)、 新しい形の知識ベースの強化に関する研究を開始した.不具合事象(阻害要因)と対処タスクに関する検討の開始,行為分解木に加えて,通常であれば実行可能な行為を阻む阻害要因とそれに対処する対処タスクの概念を導入した.本年度の研究ではこの成果を一般化し,強化して方法論の骨格をまとめ上げた.さらにその方法論の適用により,オントロジーに基づいて自動車内の情報空間における情報統合(外部情報,ドライバーのモデル,センサー情報,など)を実現するシステムを設計し,試作した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績概要欄1.のオントロジー構築パターンと上位オントロジーについては,欧州の研究者との共同研究プロジェクトを中心に計画内容に沿った検討を重ね,成果を学術論文誌や国際会議等において発表した.(2-2)にういては,申請者らが長年開発してきたオントロジーベースのモデル構築方法論を拡張し,病院の看護師らの行為や目標達成方式を記述するツールを構築した.課題2.については,主にトヨタ自動車の関連会社の協力を得て,自動車内情報推薦システムの試作と評価を行い,核となる技術について特許出願を行った.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに進行しているため,予定された計画通りに遂行する.加えて,昨年度より,病院,看護大学との看護教育支援に関する共同研究が始まっており,専門家の知識や助言を得られる体制が整った.そこで,本研究を適用するドメインを,当初の計画に加えて看護手順知識へと拡張する.
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