研究課題/領域番号 |
22240015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
國吉 康夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (10333444)
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研究分担者 |
長久保 晶彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (00357617)
原田 達也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (60345113)
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キーワード | 知覚情報処理 / 知能ロボティクス / 感覚行動システム / 実世界行動データベース |
研究概要 |
人の日常生活での動作を長時間計測し蓄積するための基盤技術を開発した。人の動作を理解する上で最も重要な手の動きおよび接触情報を同時計測するために、人の手に密に圧力センサを実装する必要がある。これを実現するためには、人の手の動きを阻害しない、柔軟になじむ高分解能感圧素子の開発が不可欠であった。当初計画では、感圧原理として、ポリイミドフィルム上に半導体薄膜をスパッタリングし、電極と半導体薄膜との間の接触抵抗を検知する方式を検討していたが、導電コーティング剤をグラビアコーティングする方法によって、量産性、耐久性の向上をはかれることがわかったため、当初計画を変更して、重点的に新しい方式のセンサ開発・検討を行った。フレキシブル基板の任意の位置に薄型の感圧素子を埋め込む技術を確立し、この技術を用いて、人の全身の柔軟な曲面に実装するための「伸縮する触覚センサモジュール」および人の手の触覚センサに応用した。この新規技術により、人の片手に1000点以上の感圧点をもつ圧力センサシステムを世界で初めて実現した。しかし、日常物体の把持試験を行った結果、指先などの感度が不十分であることが明らかとなったため、今後、さらにセンサ部分の改良を行う必要がある。また、全身の圧力情報および姿勢情報を高速にサンプリングし蓄積するために必要な省配線高速リアルタイム通信を実現する通信基盤を確立した。さらに、日常空間における動作計測を可能とする姿勢センサモジュールの開発を行い、動作計測の基盤技術を固めた。また、今後蓄積した計測データを解析する方法の検討も行った。
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