研究概要 |
4つの研究を実施している。 (1)日本の図書館情報学コンテンの整理と教科書の執筆 図書館情報学の対象である図書館やその関連制度の全体状況を把握し、またこれを分析する方法を検討した。この分析に基づき全体を3つの分野に分けて,図書館情報学の本格的なテキストブックの執筆と編集を行った。 (2)アメリカの図書館情報学パラダイムの確認 Richard Rubin著 Foundations of Library and Information Science,3rd ed.の翻訳作業が完了したので,これをもとに米国の図書館情報学教育の現状の検討,用語の検討,翻訳のブラッシュアップ等の作業を行った。 (3)図書館情報学検定試験の実施 図書館情報学教育の標準化をはかるための社会的実験として,通算で5回目の図書館情報学検定試験を実施した。50問の試験問題を作成し,11月27日(日)に全国で東京,つくば,大阪,名古屋の4箇所と2大学で一斉に試験を実施し,採点したものを受験者に返却した。なお,試験の実施団体は日本図書館情報学会(会長:根本彰研究代表者)である。 (4)図書館情報学教育体制の調査 日本図書館情報学会の図書館情報学教育特別委員会と協力関係をもって,2012年度から司書養成が新しい科目表に基づいて実施されるのに合わせて,図書館情報学専門教育の現状の検討を開始した。また,日本の専門職養成の制度化の過程を検討し,とくに管理栄養士と臨床心理士の二つの事例について検討を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者が会長を務めている日本図書館情報学会の執行部の協力があり,検定試験や教育体制の調査については順調に進めることができている,また,教科書を書いたり,アメリカの教科書の翻訳を出すことについても,若干の遅れはあるがほぼ1連携研究者の協力を得ることができた。以上のことから,おおむね順調に進展しているとの評価を下した。
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今後の研究の推進方策 |
5年間の研究機関のうちの3年目に入るところである。検定試験については,研究代表者が日本図書館情報学会の会長を務めているあと2年のうちに,これが学会の自前の事業として継続できるかどうかの結論を出すことにしている。そのためには受験者を500人に増やすことが目標であり,今後の努力が問われる。それ以外の事業については,だいたい予定通り進んでいるので,24年度に教科書およびアメリカの教科書の翻訳書については出版のめどをつけることができるものと思われる。また,日本の実情の調査も学会と協力して進める予定である。
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