研究課題/領域番号 |
22240026
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
開 一夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30323455)
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研究分担者 |
嶋田 総太郎 明治大学, 理工学部, 准教授 (70440138)
森口 佑介 上越教育大学, 学校教育学部, 講師 (80546581)
旦 直子 帝京科学大学, こども学部, 准教授 (40531877)
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キーワード | 認知科学 / 発達心理学 / メディア接触 / 乳幼児 / 認知脳科学 / 発達認知神経科学 / 模倣 / 随伴視聴 |
研究概要 |
本研究では、以下の3つの研究項目を実施している。 【研究項目1】模倣行動発達の脳内機序に関する研究 【研究項目2】長期的メディア接触経験を考慮した縦断研究 【研究項目3】映像メディアの「見せ方」に関する研究 平成23年度は、平成22年度に引き続き東大グループと帝京科学大学グループが共同でテレビを介した模倣行動について幼児を対象とした行動実験を行った。具体的には、2、3歳児に、女性のモデルが玩具を操作する映像をテレビで提示し、模倣行動が生じるかどうかを検討している。映像提示の際に、通常通りテレビで提示する条件と、テレビに窓枠を設置する(つまり、子どもはテレビ映像を実際の出来事だと思って窓から覗く)条件で模倣行動の生起数を比較した結果、後者で模倣がより多く生起する傾向が見出されている。これらの違いを説明するため、発達認知神経科学的手法を導入することを検討している。このための予備実験として上越教育大学では、が、メディアを介した自己および他者認識について成人を対象とした行動実験・脳機能計測実験を行った。数百ミリ秒程度の時間遅れを挿入した自己身体映像を呈示し、現在の自己の状態と一致しているかどうかを判定させたところ、約200-300ミリ秒の遅延を閾値として自他の区別が行われること、映像の回転が加わるとこの閾値が伸びることが明らかになった。新潟上越大学グループでは、成人を対象に,メディア認識の脳内機構を近赤外分光法を用いて検討した.具体的には,テレビおよびライブの他者の行動を観察する際の運動野を含めた前頭領域の活動を計測した.その結果,ライブ観察時の運動野の活動は,テレビ観察時の活動よりも強かった.また,同様の調査を幼児を対象に予備的に実施したところ,類似した傾向が認められた.同じく、明治大学のグループは、メディアを介した自己および他者認識について成人を対象とした行動実験・脳機能計測実験を行った。数百ミリ秒程度の時間遅れを挿入した自己身体映像を呈示し、現在の自己の状態と一致しているかどうかを判定させたところ、約200-300ミリ秒の遅延を閾値として自他の区別が行われること、身体映像に回転が加わるとこの閾値が伸びることが明らかになった。またこれに関連して身体映像の心的回転に関わる脳活動を計測したところ、物体よりも身体を心的回転しているときのほうが運動野が強く活動することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の中核的実験である2歳児3歳児を対象とした模倣行動とメディアのとらえ方関連付ける認知科学的実験が順調に進んでいる。昨年の震災の影響で実験被験児数が若干少ないが、本年度中に実験を完遂させることができる範囲である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、メディア接触の長期的影響、および、成人での予備実験が完了している脳活動計測手法を用いた実験を本格的に行うことで、発達認知神経科学的知見が得られる見込みである。想定される問題点としては、長期的実験に参加してくれる実験協力者数であるが、これまで信頼関係を構築につとめており、20名程度の修学前児・乳児に協力していただけるものと見積もっている。
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