研究課題
プロトルーディンは(Rab結合ドメイン+FYVEドメイン)という構造を有し、これは初期エンドソームの融合に関わる分子EEA1と類似した構造を取る。プロトルーディンのFYVEドメインは構造的に非典型的であり、PI(3)Pにはほとんど結合しないことが判明した。その代わりにFYVEドメインは高い特異性を持って硫酸化糖脂質であるスルファチドに結合することが明らかとなった。スルファチドは長鎖型と短鎖型があり、我々はプロトルーディンの生理的な結合分子として短鎖スルファチドを同定した。次にこの結果を確認するため、脳抽出液から各種膜脂質を調製し、薄層クロマトグラフィーによって展開、プロットした後、その転写膜にFLAG-FYVEを反応させ、FLAG抗体にて可視化を行った。同時にコントロールとして精製したスルファチド、ラクトシルセラミド(スルファチドから硫酸基を除いたもの)等を置き、FLAG-FYVEの特異性を確認すると共に、脳抽出物中の反応物の薄層クロマトグラフィーにおける移動度が精製スルファチド同じであることを確認した。さらにプロトルーディン遺伝子の一部を破壊したマウスを作製した。現在このマウスについて、まず詳細な病理学的検査を行い、どの神経がどのように障害されているのかを加齢に従って解析を進めているところである。さらに電気生理学的解析を行っており、機能的にどのような異常があるのかを推定できることが期待されている。
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http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/index.html