研究課題
24年度までの我々の研究で、マウスの多極性細胞蓄積帯MAZに蓄積する多極性移動細胞(SEP)と、MAZとオーバーラップする脳室下帯に局在する前駆細胞(REP)は、ヒト胎児大脳皮質におけるinner subventricular zone (ISVZ)の細胞及びouter subventricular zone (OSVZ)の細胞とそれぞれよく似た形態を示すことを見いだした。霊長類の大脳皮質ではOSVZが大きく発達したことを鑑みると、SEP及びREPの産生や動態を制御する機構を明らかにすることは、「脳室下帯」を構成する細胞の制御機構の解明に結びつくと考えられる。これまでの解析で、マウスにおけるREPとSEPの比は背内側皮質領域では低く外側皮質領域では高いことを見いだしたため、外側で強く発現する分子と内側で強く発現する分子を同定し、子宮内電気穿孔法によりそれらの機能解析を行った。その結果、複数の分子の強制発現によってREP産生の増加が観察され、他の複数の分子の強制発現では逆にREPの減少が認められた。前者のうち特に重要と思われた候補分子は、マウスの脳室下帯において幹細胞マーカーであるPax6陽性の細胞で実際に発現していることを見いだした。興味深いことに、この分子はマーモセットの大脳皮質においては内側皮質と外側皮質の脳室帯や脳室下帯において明らかな発現差はなく、全体に強く発現していることがわかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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