研究概要 |
1.マーモセットINSR遺伝子のクローニングおよび塩基配列の決定 shRNA発現ベクターを構築するために,マーモセットES細胞よりcDNAを作成し,RACE-PCRを用いてマーモセットINSR遺伝子cDNA全長のクローニングを行い、約5kbの全塩基配列を決定した。遺伝子改変個体作出後のRNA干渉の評価としてウエスタンブロット解析が必要となるため、そのポジティブコントロールとして大腸菌発現ベクターを作成し、組み換えマーモセットINSRタンパク質の発現を試みているが、組み換えマーモセットINSRタンパク質の発現は認められていない。INSRタンパク質の大きさが161kDaであることから、大腸菌発現限界を超えている可能性も考えられるので、今後は真核細胞でのタンパク発現も試み、詳細な条件検討を行った上でウエスタンブロットの条件を確立する。 2.マーモセットINSRshRNA発現ベクターの構築および評価 shRNA配列は標的塩基配列によりRNA干渉の効率が異なるため,これまでに得られたマーモセットINSRの塩基配列よりshRNAを複数デザインしている。RNA干渉を定量的に評価できるDual-Luciferase Reporter Assayシステムを用いるためにはINSRを接合したホタルルシフェラーゼレポーターを発現させるpGL3-Control Vector,ウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現させるpRL-TK Vector, shRNAを発現させるFH1tUTGの3つが必要となる。pGL3-Control VectorとpRL-TK Vectorはすでに作成済みであり、今後現在デザインしているshRNAをFH1tUTGに導入し、Dual-Lucibrase Reporter Assayで最も効率よくRNA干渉するベクターを選別する。選別したベクターをもとにレンチウイルスベクターを作成して受精卵へ導入し、遺伝子改変個体の作出を試みる。
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