研究概要 |
1.マーモセットINSR shRNA発現ベクターの構築および評価 22年度までに解読したマーモセットINSR塩基配列のAlternative exonであるexon11以外の6か所にshRNAターゲット配列を選定し、GFPをレポーターとしたDoxycycline (Dox) 誘導型shRNA発現レンチウイルスベクターを6種類作製した。作製したベクターをINSR の発現するマーモセット肝臓培養細胞に感染させ、shRNA発現ベクター導入細胞株を作製した。その後、各細胞株をDox添加区と非添加区にて培養し、タンパクを抽出後Western blotting によりINSRの発現を検出した。6種類のshRNA発現ベクター導入細胞株のうち5種類でINSRのKnock Down ( KD ) が見られ、Dox非添加区と比較し、それぞれ38%, 45%, 73%, 56%, 42%の発現抑制が認められた。以上より、73%とマーモセットINSRに対して最も高いKD率を示したshRNA発現ベクターを個体作成用として選定した。 2.マーモセットINSR特異的 shRNA発現ベクター導入マーモセット作出 上記で選定したshRNA発現レンチウイルスベクターを受精卵に注入し、5日間の培養後、レポーター遺伝子GFPを発現した8細胞期以降胚を選別して移植した。本方法は、8細胞期以降のゲノミックアクチベーションが起こった胚においてレポーター遺伝子の発現を確認することで、外来遺伝子の宿主ゲノムへの導入の有無を選別し移植できるため、作出される産仔のほぼ100%がトランスジェニック個体となる。これまでにshRNA発現ベクター導入胚27個を11個体のレシピエントに移植し、2個体の妊娠が確認された。1個体は早期に流産してしまったものの、現在1個体が妊娠継続中であり、心拍も確認している。
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