研究課題
1.マーモセットINSRを標的としたshRNA発現ベクターの構築および評価: 昨年度新たに作製した標的配列の異なる2つのshRNA発現ベクターにおいて、これまで使用していたshRNA発現ベクターと同程度のノックダウンを確認した。また、妊娠率にウイルスベクター液のロット差があったことからウイルスベクター液の質が胚毒性に関与していると考え、ウイルスベクター作製を生理学研究所のウイルスベクター開発室に依頼し、精製度の高いレンチウイルスベクターを準備した。2.INSR特異的 shRNA発現ベクター導入マーモセット個体作出: 新たに作製したshRNA発現レンチウイルスベクターを受精卵に注入し、レポーター遺伝子であるGFP陽性胚83個を35匹の仮親に移殖し、産仔2匹を得た。レンチウイルスベクター改良前後での妊娠率に差はなかったが、注入するウイルスベクターの力価 10,000,000,000cells/ml以上では強い胚毒性が示された。また、昨年度より実施していた発生能の高い自然交配卵へのウイルスベクター注入では、10個の胚を7匹の仮親に移殖し、1匹のTg個体を得ている。3.得られた産仔の導入遺伝子の解析: 今年度得られた個体は合計3匹であり、2匹はRT-PCRとFACS解析によりTg個体であることが示され、残り1匹は解析中である。現在まで生きている個体は導入遺伝子の発現がモザイクであり、皮膚由来の培養細胞では約6割が導入遺伝子を発現していた。この細胞においてもINSRがノックダウンされる事がウエスタンブロット解析により示された。4.Dox投与による耐糖性の誘導の評価およびII型糖尿病モデルとしての評価: 現在まで生存しているfounder個体は、繁殖によりF1世代を獲得するため、この個体での糖尿病誘導の解析は行っていない。今後F1を作製し、F1においてII型糖尿病モデルとしての有効性を評価する。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLOS ONE
巻: 9(4) ページ: e95560
doi: 10.1371/journal.pone.0095560. eCollection 2014.