研究課題/領域番号 |
22240055
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
松本 健郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30209639)
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研究分担者 |
長山 和亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10359763)
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20532104)
松本 明郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60437308)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | バイオメカニクス / 力学解析 / 細胞・組織 / 循環器・高血圧 / 生物・生体工学 |
研究概要 |
生体組織の力学応答メカニズム解明のため,生理状態で血管壁内部の微細構造に加わる力を推定し,この力とタンパク発現との関係を明らかにすることを目的とし,4年間の研究を進めた.本年度の成果は以下の3点に要約される. 1)血管薄切組織片引張に伴う変形計測: 顕微鏡下でブタ胸大動脈の薄切組織片を引張り,その際の細胞レベルの変形がどのように進むのかを,平滑筋層と弾性板層の特徴点の移動を追うことで細かく解析した.その結果,同一の弾性板層,平滑筋層であっても伸び比は,部位により異なり,マクロな伸び比の0.5~2倍程度の範囲にばらついていることが判った.一方,コラーゲン線維の明瞭な可視化には成功しなかった.しかし,年度末に別途導入された2光子顕微鏡でエラスチンとコラーゲンを明瞭に同時観察できることが判明し,今後,この方法で血管壁内の微視的変形を精度良く追うことができるものと期待される. 2)弾性板ならびに平滑筋の血管壁内の3次元形態の計測: 理研の3次元内部構造観察顕微鏡で,ウサギ胸大動脈組織内部の弾性板蛇行形態と平滑筋細胞の走行状態の関係を調べた.平滑筋の可視化はある程度可能となったが,弾性板との同時観察は困難であり,弾性板の蛇行と平滑筋走行の関係は明らかにできなかった.しかし,無負荷状態の血管壁内では平滑筋細胞が比較的ランダムな方向を向いているのに対し,生理状態では配向が一様に揃うこと,また,それは血管壁の均質な変形を仮定しては説明できないことなどが明らかとなった. 3)生化学因子と組織像の関係の探索: ウサギ胸大動脈の腹側と背側の発現遺伝子の違いから,組織の免疫蛍光染色を行った.その結果,腹側,背側で夫々有意に発現するタンパクが見つかった.また,弾性板の蛇行度と付近のタンパクの発現量についても検討し,弾性板の蛇行度と有意な相関のあるタンパクを複数同定することに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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