研究課題/領域番号 |
22240059
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
塙 隆夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90142736)
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研究分担者 |
野村 直之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (90332519)
土井 壽 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (30251549)
堤 祐介 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (60447498)
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キーワード | 金属材料 / 表面改質 / 機能分子 / 細胞接着性ペプチド / コラーゲン / 電着 / 血小板粘着 / 組織適合性 |
研究概要 |
本研究では、金属表面に機能分子や生体分子を固定化する際の結合と固定化による生体機能発現のメカニズムを、表面科学的及び分子生物学的手法によって明らかにするとともに、これを一般的理論に拡張し、汎用性の高い技術とすることを目指す。本年度は、具体的には、(1)機能分子の固定化様式制御によるタンパク質の非特異的吸、血小板粘着、バイオフォルム形成の抑制、(2)電着機能分子鎖上への細胞接着性ペプチドの固定による硬組織適合性、軟組織適合性の獲得を目指した。 (1)では、材料上に吸着したタンパク質の定量を行うためには、タンパク質を材料上から剥離する技術が必要であり、この開発とこの方法によってPEG電着チタン上でタンパク質吸着が抑制されることを明らかにできた。これにより、機能分子固定化材料の性能評価を定量的に行えるようになった。また、PEG電着によって、チタンへの細菌付着及びバイオフィルム形成が抑制されることとその機構を明らかにした。さらに、血液適合性を適正に評価するために、血流までを考慮した動的血小板粘着評価を開始した。一方、PEG電着表面は摩擦形成の減少に効果があると考えられるため、PEG電着チタン同士の大気中、タンパク質含有水溶液中での摩擦係数の測定を開始した。(2)では、細胞接着性ペプチドRGD及びGRGDSを電着PEG双性イオンを介して固定化した際の、PEG鎖長の影響を骨芽細胞及び線維芽細胞による評価で明らかにした。さらに、最適鎖長(分子量3000)のPEGを介してRGDを固定化したチタンでは、ウサギ頸骨に埋入した際に、骨形成量と骨密着面積が大きくなり、硬組織適合性向上に有効であることがわかった。 以上のように、目標を達成するための多方面からの研究が順調に伸展しており、一部では成果が出つつある。
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