研究課題/領域番号 |
22240065
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
山谷 泰賀 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (40392245)
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研究分担者 |
工藤 博幸 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (60221933)
菅 幹生 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00294281)
羽石 秀昭 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (20228521)
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キーワード | 画像診断システム / PET / 画像再構成 / 放射線がん治療 / 核医学 / ポジトロンCT |
研究概要 |
我々は、世界的な競争下にある次世代のPET装置開発において、開放化という全く新しい機能を備えた世界初の開放型PET装置「OpenPET」のアイディアを2008年に提案している。本研究では、OpenPETが可能にする診断治療融合システムにより、放射線がん治療の精度を格段に高める革新的コンセプトを提案し、小動物サイズのOpenPET試作機を開発し、ファントムおよび小動物レベルにてコンセプトの実証実験を行うことを目的とする。具体的には、リアルタイム、すなわち動画のように開放空間を画像化するPETシステムを研究開発し、がんを見ながら、ビームを見ながら、治療効果を見ながら照射する、安全・安心・確実な未来の放射線がん治療の実現を目指す。 今年度は、昨年度開発した小型試作機について、検出器およびデータ収集システムの改良を施し、重粒子線治療ビームの3次元分布を画像化する試験を行った。特に、半減期1224秒のC-11と比べて、約64倍の高い被放射能を持つ半減期19秒のC-10に注目した。そして、重粒子線がん治療装置HIMACにて、C-12、C-11およびC-10ビームを比較する照射実験を行った。具体的には、PMMAファントム(4cm角)照射にてOpenPETイメージング性能を検証した。C-10照射により、照射中のPET計測(約3Gy照射)のみからでも、3mmのレンジの差が画像化できることが示された。 これと平行して、リアルタイム画像再構成システムの実現に向け、One-Passリストモード画像再構成アルゴリズムの検討、One-Passリストモード画像再構成の高速実装、照射ターゲット追跡システムの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
小型試作機の開発において懸念していたいくつかのリスク要因をクリアできたため、小型試作機の開発が順調に進行したため。来年度予定していた「照射野画像化の実証実験」の一部を先行して行うことができ、本研究により期待される効果を早い段階で実証することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画どおり、課題を推進する。当初計画以上に進展した「照射野画像化の実証実験」については、計画していたアクリルファントムに加えて、実験動物を用いた照射も予定している。
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