研究課題
慢性呼吸器疾患患者を対象とした仙台市呼吸健康教室を、計2回開催し、計45名の参加を得た。COPD(慢性閉塞性患者)が最も多く、その他は肺線維症や肺ガン、喘息などであった。参加者には、身体活動量測定のライフコーダーを装着してもらい、4週間にわたるカウント数記録の結果、身体活動量が向上し維持されることがわかった。ミオカインは細胞内の小胞にカクテル状にストアされていて、何らかの刺激で必要なものが選択されて分泌されている。ミオカインの細胞内での産生や分泌においては、そのトリガー刺激は不明な点が多いものの、生命現象としては筋収縮が重要である。細胞内カルシウム濃度の上昇がその機構に寄与しているものと考え、マウスの骨格筋を用いて関連を調べたが、細胞内カルシウム濃度が分泌や産生に影響している確証は得られなかった。ヒトの運動負荷では、IL-6は運動中~後に濃度上昇がみられるが、ミオスタチンは二相性の変化を示した。この場合、IL-6の分泌は筋収縮をトリガーとしていることに矛盾しないが、ミオスタチンの場合には筋収縮とは別の機構で分泌されていると考えられた。IL-6の運動後の血中濃度上昇と前値については関連が知られているため、ミオスタチンとの関連を同様に調べるために、身体活動量とベースラインでのサイトカインプロフィールを調べた。身体活動量が高い人ほどIL-6ベースラインの血中濃度は低く、ミオカインはその逆という傾向がみえた。ミオカインの産生または分泌にかかわるトリガー刺激については一様ではなく、筋収縮が主な刺激ではあるものの、少なくともミオスタチンの場合には他の機構によるものと思われた。身体活動性への関心が高まっているため、日本呼吸器学会の和文誌に身体活動性についての特集を組み、Editorialを執筆した。身体活動性の重要な意義、基本概念、現時点の最新の情報などを伝えることができたと思われる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
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