研究課題/領域番号 |
22240068
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 敏明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (40248670)
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研究分担者 |
伊福部 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (70002102)
武田 秀勝 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10048134)
泉 隆 東海大学, 生物理工学部・生体機能科学科, 教授 (80193374)
敦賀 健志 北海道工業大学, 福祉生体工学科, 准教授 (60337011)
和田 親宗 九州工業大学, 生命体工学研究科, 准教授 (50281837)
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キーワード | 高齢者・障害者 / 立位・歩行支援 / 転倒予防 / 感覚刺激 / 福祉工学 |
研究概要 |
本研究は、ヒトの立位バランスに重要な立位荷重時の足趾・足底感覚を新型感覚検査機器で評価し、その評価に基づき高齢者・障がい者のバランス能力を改善するための最適な立位・歩行時の重心移動を足底へ振動感覚刺激で呈示する方法を確立し、加えて、転倒の危険を回避する注意喚起可能な感覚刺激内蔵型靴の開発研究を実施する。平成22年度は振動装置による足底感覚評価および動的バランス能力評価のための床振動装置の製作を実施する。具体的課題は(1)振動刺激装置による足底感覚評価および(2)床揺動刺激装置の製作を実施した。(1)に関しては、振動子を用いて足底面に振動刺激を負荷することにより,健常若年者および高齢者の立位バランスに重要な足底面触圧覚機能を検証することを目的とした。本新型足底感覚検査機器は、小型扁平型振動モータを床面上に複数個配置することにより、足底の任意の部位にコンピュータ制御により振動触覚刺激を負荷することができる。振動子は片足あたり9個を使用し個々の振動子による刺激は独立に制御可能とした。振動子を足底母趾、第一~五中足骨骨頭,踵部位に計9ヶ所配置し、各振動子の振動数は約100Hz、1回の振動刺激の継続時間を0.5secとした。被験者は立位および座位において、足底部配置の振動子によるランダム刺激を知覚できるか否かの二件法によりその正答率に関し統計処理を行った。被験者は健常若年者7名(平均年齢21.3歳)、高齢者5名(平均年齢66.2歳)とした。結果として、高齢者内および若年者内では踵の振動覚が立位時、座位時ともに他の部位に比べ感度が低下した。また、若年者に比べ高齢者は全ての部位で感覚が立位、座位ともに低下していた。(2)床振動刺激装置は構成としてサーボモータ式可動式台および外乱床振動刺激操作盤であり、仕様は1軸方向刺激、床可動範囲最大500mm、最大推力1000N程度、最大速度は2m/sとし製作した。来年度、動的立位バランス能力評価の指標として使用するため予備実験を行い、本装置の操作性、刺激精度、安全性などを検討した。以上、本年度研究目標は概ね達成された。
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