研究課題
老化ならびに発育障害やスポーツ活動中の不慮の事故等による骨格筋線維の萎縮や機能低下は、Quality of Lifeの著しい低下を招く。さらに骨格筋の機能低下は活動量を抑制し、骨塩量の低下や動脈硬化性疾病など個人の健康維持に問題であるばかりでなく、国民総医療費の増大につながる。したがって、予防介護の観点からも、骨格筋線維の萎縮や機能低下を抑制することは重要なテーマであるとともに、健康・スポーツ領域においても、骨格筋量や機能の維持・向上は重要な課題である。本研究では、骨格筋量および機能の維持・向上における組織幹細胞を中心とした骨格筋再構築ネットワークの解明を目的とする。本研究は4年計画で実施され、本年度はその4年目の最終年度に当たる。本年度は、血管系と筋衛星細胞の細胞間コミュニケーション分子としての機能が示唆されるangiopoietin 1(Ang1)とその受容体であるTie-2が骨格筋の量的変化に伴う挙動を検討した。その結果、マウス後肢への荷重を除去することで、足底筋・ヒラメ筋の筋湿重量は減少し、その後の際荷重により再成長が観察された。荷重除去による筋萎縮に伴い、骨格筋組織内のAng1およびTie-2の発現量も低した。また、荷重再開による骨格筋の再成長によりAng1とTie-2の発現量は共に増加した。一方で、毛細血管/筋線維割合はヒラメ筋では萎縮に伴い減少したが、足底筋では萎縮とその後の再成長に伴う変化は認められなかった。したがって、筋の種類によってAng1/Tie-2の機能が異なることが示唆された。骨格筋におけるアディポネクチンおよびその受容体発現量は骨格筋量の増減に比例して変動することが確認された。骨格筋量および機能の維持・向上における組織幹細胞を中心とした骨格筋再構築ネットワーク分子の挙動が明らかとなった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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