平成23年度および24年度に実施した調査の結果、学生5132人、母4236人、祖母2441人の食習慣および健康状態を検討するための大規模なデータが構築された。 平成25年度は、世代間の食習慣の相違および3世代それぞれの世代での食習慣と健康状態(うつ、便秘、更年期障害、高齢者の虚弱など)の関連を明らかにするなどの検討を行った。データは調査に参加した栄養関連学科85校の共同研究者に配布しており、その共同研究者の責任の下で他の教員や学生も使用可能にするなど、幅広く使用できる仕組みを整えた。 その結果これまでに、原著論文で7件の利用申請があり、うち2報が国際誌に受理された。このうちの1報は、厚生労働省の取りまとめた「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書に利用され、国の政策上重要な論文として位置づけられるものとなった。また学会発表では第60回栄養改善学会において、9件の口頭発表が行われ、そのうちの8件で「公衆栄養・栄養疫学(9)成人期2」というひとつのセッションを占めるに至った。本研究に参加した共同研究者に加え、その他多くの研究者も本セッションを聴講するため会場に訪れ、活発な議論が行われた。その他にも、共同研究者の指導を受けている大学生および大学院生が、卒業論文、修士論文、博士論文などに、全体データまたは自校データのみを使用するなど、各地の大学でデータが使用された。 また、今後本研究データを用いてさらに多くの原著論文が作成されるように、栄養改善学会自由集会にて、共同研究者との勉強会も開催した。
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