研究課題/領域番号 |
22240080
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
加藤 浩 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (80332146)
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研究分担者 |
三輪 眞木子 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (90333541)
仲林 清 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20462765)
柳沼 良知 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 准教授 (10251464)
辻 靖彦 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 准教授 (10392292)
森本 容介 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 准教授 (00435702)
杉山 秀則 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 助教 (10435703)
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キーワード | 教育工学 / 生涯学習 / インターネット / 学習コミュニティ / LMS / MOODLE / 情報検索 / WWW |
研究概要 |
生涯学習ポータルサイトについては、ユーザビリティの改良、および追加機能として外部生涯学習情報レポジトリとの連携機能、LMS機能(講座の配信,評価、アンケート機能、電子掲示板機能など)、eポートフォリオ機能の実装を行った。また、検索機能の高度化として、講義映像を対象とし,キーワード入力に依らない検索手法である「あんな検索」機能の開発を行った。パイロット実験については、当初実験を計画していた組織からの協力が先方の事情によって得られなくなったため実施が遅れたが、現在は放送大学の面接授業「初歩からのパソコン」を対象に実施している。また、同面接講義の講師コミュニティ(本部教員と学習センター非常勤講師)を支援するために、本システムで教材共有、教材・教授法に関するアイディア提供、FDセミナーのビデオなどを公開した。 学習コミュニティ支援ツールについては、Learning Design規格による協調学習とSCORM規格による学習者適応の枠組みを融合した学習支援プラットフォームを構築しているが、現在までに,協調学習のための基本的な枠組み,および,協調学習シナリオのひとつであるJigsaw法を例に,必要な教材オブジェクトの実装を進めた. メタデータの半自動抽出については、Webページ群の差異から各ページに含まれる生涯学習情報を抽出する手法を開発した。また抽出元と抽出結果を比較参照し、確認・訂正可能なインタフェースを備えたシステムの開発を行った。 社会教育施設における鑑賞支援については、展示会来場者の感想文の蓄積と、実態及びニーズの把握のために予備調査を行い、蓄積した感想文をタブレット端末で閲覧できる感想共有システムを開発した。その評価実験を行った結果、鑑賞者の興味や他者への共感を引き出す等の効果を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生涯学習ポータルサイトの実験については、当初実験を計画していた組織からの協力が先方の事情によって得られなくなったことにより、当初の計画よりも1年近く遅れてしまったが、現在は本科研関係者が担当している放送大学の面接授業「初歩からのパソコン」を対象に実施している。実装したLMS機能を用いて,当該授業を対象としたサポートサイトを立ち上げ,担当教員同士の情報交換のための機能はほぼ達成したが、この授業の受講者が同一授業内で意見交換できる仕組みの提供とテストが未達成である。また、検索機能の高度化については,プロトタイプができた。 学習コミュニティ支援ツールについては、おおむね順調に進んでいるが,協調学習シナリオの実装を容易化するためのマクロ教材オブジェクトの開発は未着手である. メタデータの半自動抽出については、おおむね順調に進んでおり、Webページ群から機械的にメタデータを抽出し、誤抽出・抽出漏れを人間が訂正する機能を有する一連のプロトタイプを開発し、基本的な動作を確認することができた。生涯学習情報の自動分類機能についてはまだ開発途中である。 社会教育施設における鑑賞支援については、順調に進んでおり、鑑賞支援を行うシステムを開発するとともに、評価実験を行うことで効果を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
生涯学習ポータルサイトについては、放送大学の面接授業「初歩からのパソコン」を対象に、学生向けの授業別コミュニティWebサイトにおいて同一授業内でコミュニケーションできる仕組みを提供し、実際の授業でコミュニティの構築を行って利用状況を調査し、分析評価を行う。検索機能の高度化については、より機能の拡充を図るとともに、配信できる映像の増加に努める。 学習コミュニティ支援ツールについては、今年度は,他の協調学習やグループ学習の方略をユースケースとして教材オブジェクトの拡充を図る。また、これまでに開発した教材オブジェクトの通信のパターンを整理し、通信プロトコルをレイヤー化して、今後の拡張性を担保する。 メタデータの半自動抽出については、開発中の生涯学習情報の自動分類機能のプロトタイプを完成させ、実際の生涯学習Webページを対象に評価実験を行う。 社会教育施設における鑑賞支援については、目標はほぼ達成できているので、今年度はこれまでの成果の発表を中心に行う。
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