研究課題
サンゴ礁の礁縁部から礁斜面は暴浪時の波浪を減衰するのに効果的な地形である。しかし,浅海域の地形を可視化することは難しく,地形の広がりについて議論されることは世界的にも極めて少ない。本研究ではこれまでにワイドバンドマルチビーム測深機を用いた三次元地形測量を行い,浅海域の地形について1mメッシュの詳細地形図を作成するシステムとノウハウを構築してきた。24年度は,9月に喜界島の礁斜面を対象としたマルチビーム測深を行った。また,23年度の測深によって作成した久米島および石垣島における海底の精密三次元図について,現地で潜水調査を行って検証した。さらに,沿岸域で消波構造をつくる礁構造や環礁国で国土を支えるサンゴ礁構造について,ボーリングコア等を基にした解析を進めている。モルディブ共和国マーレ島では,未固結堆積物が多くを占める礁構造の縁に分布するきわめて僅かな固結礁構造によって環礁洲島の地盤が形成されていることが明らかになり,国際学会などで発表を行った。また,IODP (統合国際深海掘削計画) Expedition 325: Great Barrier Reef Environmental Changeで水深100m前後より採取されたコア試料の分析を進めており,最終氷期最盛期とそれ以降の海面上昇過程で形成されたサンゴ礁堆積物でもマリンセメントによる膠結堆積物を見いだしている。琉球列島でも礁縁部で,マリンセメントによる強固な構造が形成される事例が報告できるため論文を準備中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Global and Planetary Change
巻: 92-93 ページ: 1-7
doi:10.1016/j.gloplacha.2012.05.001
Geochemical Journal
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