研究課題/領域番号 |
22240090
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
|
研究分担者 |
井本 逸勢 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30258610)
小崎 健一 東京医科歯科大学, 硬組織疾患ゲノムセンター, 特任准教授 (50270715)
井上 純 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (50568326)
|
キーワード | 難治がん / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / ゲノム / エピゲノム / マイクロRNA / DNAメチル化 |
研究概要 |
ゲノム情報を基盤に疾患の新しい診断、治療、予防法の開発、ならびに基礎研究で得られた成果を臨床医学に展開する「トランスレーションリサーチ」に多大な期待が寄せられている。ゲノム構造変化、エピゲノム遺伝子制御機構、体系的遺伝子発現解析など統合的ゲノム解析研究を推進し、がんの様々な特性(悪性形質)に関与する遺伝子探索と病態解明に取り組み、さらにこれら難治がんにおける画期的な診断、治療、予防法の開発を目指した。食道扁平上皮がんにおいてESCC細胞株から検出した13q21.2ホモ欠失領域の標的がん抑制遺伝子候補PCDH17を同定した。PCDH17はプロモーター領域のDNAメチル化により機能サイレンシングされることを見出した。PCDH17の臨床検体における発現低下が潜在的リンパ節転移に関連している。さらに、ESCC細胞株で見出された1q32-q41増幅の新規標的遺伝子としてSMYD2を同定した。SMYD2はH3K36やp53K370をメチル化し転写活性調節やp53の不活性化作用を持つことが報告されており、治療標的分子としても注目されている。またp53が正常の例で予後の像悪に関与することを明らかにした。加えて、ESCCで見られる11q22増幅の標的遺伝子YAP1に4種類のアイソフォームがあることを明らかにした。また、種々のがん種において機能解析に基づくがん関連マイクロRNAのスクリーニングを進めている。今回の研究で見出されたがん関連遺伝子は、難治がんのバイオマーカーや治療の標的分子として期待できる。
|