研究課題
我々は、39系のがん細胞株(JFCR39)に基づく化合物の標的予測システムCancer Cell Informatics (CCI)を拡充して分子標的薬創薬へ応用することを目的とし、以下の研究成果を得た。1)リファレンスとして約150種類の標的既知化合物を収集し、JFCR39における増殖阻害スペクトル(フィンガープリント)を測定し、データベースに追加した。2)JFCR39について、PIK3CA/-B-D-G・KRAS・BRAF遺伝子についてのゲノムDNA変異、GeneChipを用いたゲノムワイドな遺伝子発現およびPI3K下流の蛋白質発現を調べ、情報をデータベース化した。3)本研究では、蛋白質間相互作用の阻害剤としてArf1-GEF相互作用およびRac1-GEF相互作用の阻害剤を探索する。そこで、既知のArf1-GEF阻害剤Brefeldin AおよびRac1-GEF阻害剤NSC23766のフィンガープリントを測定した。並行して、各々の分子標的阻害の評価系を確立した。4)上記2)のオミクス情報に基づき、新規PI3K阻害剤ZSTK474の薬効と関連する因子を探索し、リン酸化Akt(高発現ほど効きやすい)およびKRAS/BRAF遺伝子変異(変異細胞は効きにくい)を見出した。また、JFCR39中24系をヌードマウス皮下に移植したゼノグラフトモデルで、ZSTK474のin vivo抗腫瘍効果を測定した。上述のin vitroで認められたリン酸化AktやKRAS/BRAF遺伝子変異とZSTK474の感受性との関連がin vivoでも認められるかを検討したところ、同様の関連が確かめられ、リン酸化Akt発現量はZSTK474の感受性予測マーカー、KRAS/BRAF遺伝子変異はZSTK474の抵抗性予測マーカーとして利用できる可能性が示された。
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