研究課題
Cancer Cell Informatics (CCI)は、研究代表者らが確立した化合物の標的予測系である。CCIは、39系のがん細胞株パネル(JFCR39)によるウェットな実験とJFCR39に関する情報(化合物感受性等)に立脚したインフォーマティクスである。本研究ではCCIを強化すると共に、分子標的薬創薬へ応用した。CCIの強化では、当該年度を含め研究期間内に264個のレファレンス化合物(標的既知の化合物)の感受性情報を取得した。その結果、CCIは通算1000種類以上のレファレンス化合物データを取得した。また、JFCR39オミクス情報として既に種々のタンパク質発現情報やゲノムワイドな遺伝子発現情報を取得していたが、本研究で、PI3キナーゼ経路関連のゲノムDNA変異とリン酸化タンパク質発現、エクソーム解析、加えてJFCR39の一部をヌードマウス皮下腫瘍とした際の遺伝子発現情報を取得した。一方、分子標的薬創薬への応用では、タンパク質間相互作用阻害剤として既知のゴルジ阻害剤Brefeldin A(Arf1-GEF相互作用を阻害する)をもとに、CCIによって新規ゴルジ阻害剤候補AMF-26を見出した。AMF-26は予測通りがん細胞のArf1活性化を阻害し、ゴルジ体を破壊し、小胞輸送と細胞増殖を阻害した。さらに、経口投与によりヒト乳がん(BSY-1)ゼノグラフトを完全に退縮させたので、強い抗がん性が証明された(Ohashi et al. J. Biol. Chem. 2012)。また当該年度には、Rac1-GEF相互作用の阻害剤NSC-23766をもとに、CCIによって新規のRac1-GEF相互作用阻害物質を見出した(投稿準備中)。よって、CCIの創薬への実用性が検証された。なお、CCIを介した連携研究者との共同研究も着実に進み、CCIが基盤研究として有用である事も示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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