研究課題/領域番号 |
22241006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大野 正夫 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 准教授 (00251413)
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研究分担者 |
林 辰弥 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 非常勤研究員 (80571132)
桑原 義博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 准教授 (90281196)
北 逸郎 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (10143075)
狩野 彰宏 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (60231263)
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キーワード | 岩石磁気 / 古環境 / 海洋循環 / 大陸氷床 / 初磁化率 |
研究概要 |
本年度の研究は、各種分析のための試料の準備の後、岩石磁気分析と鉱物分析を開始した。まず本研究で研究対象とする試料(IODP第306航海で掘削されたSite-U1314コア試料)が保管されているドイツ国のブレーメンコアセンターにおいて、直径6.5cmのハーフコア試料からU-Channel(断面2cmx2cm)試料を採取した。採取した試料は、自然残留磁化および非履歴性残留磁化(ARM)の段階交流消磁実験を1cm間隔で行った。その後、U-Channel試料から岩石磁気測定用に7ccのキューブ試料を取り分けた。この作業においては、このために特に開発した試料採取用のサンプラーを用いた。キューブ試料の岩石磁気測定は、初磁化率、およびその周波数依存性と異方性の測定を行った。また数グラムの試料を別途取り分けて、磁気ヒステリシス測定の他、熱磁気分析、低温磁気分析などの各種岩石磁気測定と鉱物分析(X線解析)を行った。特に磁気ヒステリシス測定は、本研究の設備備品費で申請した交番磁場勾配磁力計を設置、立ち上げて行った。また、今年度は特にMIS(酸素同位体ステージ)100の氷期に注目して分析を行ったが、この期間の岩石磁気特性の変動の特徴として、氷山起源の漂流岩屑堆積物を含む層において、初磁化率の減少、その周波数依存性および異方性の減少、そして保磁力の低下がみられた。今後、漂流岩屑堆積物の詳細な分析を進めるとともに、ナンノ化石分析や化学成分分析を行い、それらの結果とあわせて、北半球の大陸氷床発達時における海洋循環の変遷史の詳細が明らかになっていくものと考えられる。
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