研究課題
基盤研究(A)
・地球大気中のメタンガスの挙動を理解するため、TransCom-CH4プロジェクトに参加した国内外12の研究機関と協力し、各モデル計算で見積もった全球メタン濃度の相互比較を行った。8つのサイトで観測されたメタンの増加率,季節変動,緯度変化のモデルとの比較を行った。・Global Carbon Project(GCP)のRegional Carbon Cycle Assessment and Processes(RECCAP)のもと、陸海域の生態系と大気間の炭素交換を理解するため、アジア地域のとりまとめ役を担った。本年度は、熱帯域の森林や泥炭地等の土地利用変化、森林火災、耕作・稲作地による炭素排出量のデータベースの作成に着手した。・人工衛星観測で得た二酸化炭素の濃度データを利用する際は、データの地域や季節によるバラつきや統計誤差などをあらかじめ理解し、信頼できるデータを使用することが望まれる。航空機などで実観測が可能な地点では、衛星観測と実観測を比較することで、衛星データを評価することができる。しかし、洋上や砂漠など、実観測が困難な地域では衛星データと比較するための基準値がない。本研究では、基準値を1度グリッド解像度の気候値として作成した。気候値は、複数の輸送モデルで計算した二酸化炭素の全球濃度分布と観測値(GLOBALVIEW)との差(モデルバイアス)を補正することで作成した。対流圏の観測点間のモデルバイアスは逆距離加重法と最小分散推定により求め、成層圏のモデルバイアスは気球観測によって得た平均空気齢との差より求めた。複数のモデルを用いたバイアス補正により、季節変動や南北輸送の輸送誤差を小さくすることができた。この気候値を用いて、地域や季節による統計解析を容易に行うことができた。
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Journal of Geophysical Research
巻: 116