研究課題/領域番号 |
22241012
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
秋道 智彌 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 教授 (60113429)
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研究分担者 |
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80183804)
門司 和彦 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (80166321)
富田 晋介 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (60378966)
阿部 健一 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 教授 (80222644)
大西 秀之 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60414033)
横山 智 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30363518)
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キーワード | 環境と社会 / 生態系サービス / 関係価値 / メコン河流域 |
研究概要 |
H23年6月に研究分担者らが、ラオス国立農林業研究所主催の国際シンポジウム”International Symposium on Rethinking Ecosystem Services in the Context of Montane Region in Mainland Southeast Asia”でこれまでの研究成果を報告し、それをもとにラオス国内外の研究者と討議した。討議を通して、ラオス在来の生態系管理手法の有効性が確認されるとともに、それを今日のグローバル状況のなかで保持するためには周辺諸国の民間資本を積極活用することが欠かせないという認識が導き出され、それが今後の研究を進める上での重要な指針となった。 H23年7-9月に研究代表者をはじめとする科研メンバーが現地調査で、生態系の管理にまつわるトレードオフ関係に着目して資料収集を行った。 H23年9月に研究分担者らが、ラオス国立公衆衛生研究所の主催する研究フォーラムに出席し、これまでの研究成果を報告するなかで、人間の健康に対するリスクという観点から環境変化を評価する視点の重要性を打ち出し、各国の研究者から支持を得た。これら2つの国際研究会議への出席を通して、人間による環境改変とそれにともなうリスクとベネフィットのトレードオフ関係に関する枠組みが明確になった。 H24年1月に全体会議を開催し、科研メンバーの本年度の成果報告に基づいて、本研究課題のキー概念である「関係価値」という視点を各自の研究のなかでいかに具体化するかについて議論した。その議論を通して生態系と人間集団のあいだに潜在するさまざまな関係性を、地域の自然・文化・社会経済的条件の変化に応じてベネフットにもリスクにも転換するものとしてとらえ、その時系列変化の解明にもとづいて、資源保全・管理の望ましいすがたを探ることが次年度以後の重点課題として策定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画2年目で、これまで調査研究を成果発表に結び付け、それを通してキー概念の精緻化がはかれたため。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査をさらに深めることで、「生態系サービス」概念にとって代わる、新しい価値概念「関係価値」の方向性をより明確にするとともに、実証データによる裏付けをはかる。
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