研究課題/領域番号 |
22241017
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関野 徹 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20226658)
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研究分担者 |
佃 諭志 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (00451633)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ナノ材料 / 環境材料 / 酸化物ナノチューブ / 太陽電池 / 光触媒 / ナノハイブリッド / 機能共生材料 / 光化学特性 |
研究概要 |
今日課題となっている環境やエネルギー問題の解決に資する高効率エネルギー創製システムや高次環境浄化光触媒システムへ適応しうる次世代型の環境機能集約型材料へと深化することを目的として、酸化物(酸化チタン)ナノチューブ(TNT)の構造を原子・分子・ナノレベルで設計・制御する合成プロセスの最適化、材料創製と物性・機能評価を引き続き行うと共に、これまでの一連の研究成果をまとめ、以下の成果を得た。 1. 化学的合成環境の制御により得られるサイズ制御したTNTについて、多様な合成プロセスに依存してその構造や結晶性が変化し、分子吸着能・電荷輸送特性・および光学的特性に影響することを明らかにした。更に、増感型太陽電池におけるTNT単位表面あたりの増感色素分子素吸着量がTNTの表面性質や形状により変化し、アスペクト比依存性を示すことを解明した。 2. 多様な希土類および遷移金属固溶型TNTを合成するプロセスを最適化し、その基礎物性・光化学特性を精査した。固溶型TNTではその電子準位に依存した吸収帯を持つことを確認すると共に、共ドープ型TNTでの光学特性とナノ構造の特徴を明らかにした。 3. イオン固溶により、TNTが本来持つ分子吸着能を飛躍的に改善することに成功すると共に、優れた光触媒特性をも同時に改善することに成功した。この機構として、吸着が静電的効果と共にイオン交換的機構で進むこと、吸着した分子自身で光照射電荷分離・移動を伴い、これに基づく分解反応が生じていることを示唆する新たな知見を得た。 4. 光化学還元プロセスにより金属ナノ粒子を担持したナノハイブリッド型TNTでは、優れた光触媒機能、特に水素生成触媒として良好な性質を示すこと、分子吸着能を同時に維持していることを確認した。以上の結果を総括し、環境やエネルギー問題の解決に資すことが可能な低次元酸化物ナノマテリアルの機能化に必要な設計指針と一連の材料創製技術を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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