研究課題/領域番号 |
22241019
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平出 正孝 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20111833)
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研究分担者 |
齋藤 徹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40186945)
松宮 弘明 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (10362287)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 排水処理 / 凝集沈殿 / 界面活性剤 / 高分子電解質 / 抗菌剤 / エストロゲン / 酵素反応 / MRI造影剤 |
研究概要 |
近年、医療行為、産業活動及び日常活動により排出される薬剤成分の生態系への影響が懸念されており、これらの薬物を高効率で除去・処理する新しい技術の開発が求められている。本年度は、アドミセルの改良型として昨年度提案した界面活性剤支援凝集沈殿法につき、さらに詳細に検討した。その結果、テトラサイクリン系抗菌剤等を、水酸化アルミニウム-アニオン界面活性剤により、水中からほぼ完全に除去できた。これらの抗菌剤は、正電荷アルミニウム錯体と界面活性剤とのイオン会合体として、アドミセルの疎水環境に分配捕集されることが、LC-MS や蛍光分子プローブ解析により示唆された。また、排水処理の連続化を目的とし、装置・操作の最適化を検討した結果、抗菌剤を含む排水を実験室レベルで連続的に処理できる可能性を見出した。さらに、二本鎖界面活性剤を粘土鉱物に内包させたオルガノクレイを調製し、ペニシリンを始めとするβ-ラクタム系抗菌剤の捕集に応用した。抗菌剤は効果的に捕集され、オルガノクレイ中でその場分解され、抗菌活性を持たない化学種に変換されることが、LC-MS により確認された。なお、昨年度展開した高分子電解質-界面活性剤凝集法については、酵素反応を導入してエストロゲンやフェノール系薬剤の除去に適用した。例えばペルオキシダーゼにより変換された反応性化学種は高分子電解質のアミノ基に結合し、界面活性剤による凝集とともに排水から除去された。 また,MRI造影剤として使われているGd錯体とGd-フミン錯体との分別定量法を開発し、河川水の分析に適用した。すなわち、Gdの化学種をまずセファデックス系陰イオン交換カラムに濃縮し、次いで硝酸等を用いて選択的に脱着し、ICP-MS により定量した。都市部河川水の医療用Gd錯体と考えられるGdが検出され、本分別定量法の環境水中のGdの動態把握への有用性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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