研究課題
電子線加速器を用いてPtを含む二元系の合金ナノ粒子を担体粒子(Fe_2O_3, CeO_2, C)の上に安定化した複合ナノ粒子を合成した。PtRu/C系では、DL酒石酸を添加することで、合金化が促進され、直接メタノール型燃料電池の陽極反応であるメタノール酸化の触媒活性が高く、含有貴金属量あたりの比較で市販品を上回6ことを見出した。PtCu/Fe_2O_3系では、Cu含有量が1/3程度までは、X線回折による格子定数がベガード則に従う合金粒子が得られ、それ以上のCu仕込み比では余剰Cuが酸化物となる。酸素過剰雰囲気中でのCO酸化の触媒活性はCu含量が1/3程度の合金ナノ粒子で有意に上昇した。Cu仕込みが9割のものは、酸素不足雰囲気中でCO酸化活性が高く、特に100℃付近でピークを持った。これは、固体高分子型燃料電池に供給する組成水素からCOだけを除去するPROX触媒として有望であることを見出した。この優れた特性の起源は、Cuの酸化物が酸素の吸着と輸送媒体となっていることと考察した。X線吸収スペクトルの測定をSPring8、PF@KEKの両施設で行い、二元系ナノ粒子の構成元素の吸収端でのXANESとEXAFS解析を行った。PtRu系では、配位数から算出したペアリングファクターが合金化の指標となり、酸化活性と相関があることを見出した。また、PtCu系ではCuのXANES測定から余剰Cuは結晶性の低いアモルファスライクなCuO相であることを確認した。その他、触媒への吸着COを検出するためのFTIR拡散反射ユニット、ナノ粒子触媒材料のアニールを行うための赤外線ランプ炉を整備した。これらの立ち上げを行い、次年度以降の研究に資する。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (20件)
Applied Catalysis A : General
巻: (印刷中 掲載確定)
Materials Research Society Symposium Proceedings
巻: 1311 ページ: 06-05
巻: 1311 ページ: 04-09
巻: 387 ページ: 195-202