研究課題/領域番号 |
22241023
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 孝夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00174798)
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研究分担者 |
中川 貴 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70273589)
清野 智史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90432517)
仁谷 浩明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (20554603)
堀 史説 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (20275291)
水越 克彰 東北大学, 金属材料研究所・附属研究施設関西センター, 准教授 (60342523)
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キーワード | 触媒 / 燃料電池 / 白金 / 放射線 / ナノ粒子 |
研究概要 |
PtCo、PtRu、PtCu、PtSn系のナノ粒子合成実験を行った。商用施設の電子線加速器(4.8MeV, 10mA)を恒常的に使用し、^<60>Coγ線照射を併用する体制も整った。高照射線量率による合成時間の短縮とpH調整や酒石酸・クエン酸等の錯化剤の添加により、酸化還元電位が離れた異金属を狙いどおりランダム配置できることを確認した。 熱処理による合金化促進・規則相生成を目的に、赤外加熱炉を用いた還元雰囲気での熱処理の研究を開始した。処理後の触媒性能から推察すると、この後処理条件を最適化することで特性が飛躍的に改善する。粒子の内部構造や表面状態と特性との相関を探るヒントとなるデータである。 SPring-8とPF (KEK)で透過法・蛍光法・全電子収量法を駆使したXAFS解析を行った。特殊セルによるIn-situ測定を開始した。 TEM分析による担体と触媒貴金属粒子の界面の観察を開始した。今後ADF-STEMによる詳細な観察が進む。 拡散反射FTIRによりPtCu触媒に吸着したCOの赤外吸収を測定し、表面に露出したPtの化学特性を分析した。また、担体効果を化学種(酸化鉄、セリア)や担体粒径などの視点から調べた。 電極触媒:DMFCとDEFCを想定した系で、リニアスイープボルタンメトリ、サイクリックボルタンメトリの手法で、回転電極を併用して評価した。 PROX触媒:常圧固定床流通式反応器を用いて評価した。80-200℃付近で、H_2ガスに混入する1%のCOに対し、1%程度のO_2を加え、CO除去率を測定した。水蒸気添加の影響を測定できるように反応器を改善した。セリア担持PtCu系でCuリッチ(Cu/Pt>1)な触媒が非常によい特性を示すことを見出した。 COを用いた触媒評価実験を安全・効率的に行うため、ドラフトチャンバーを新たに一台追加整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体で4年計画の中の2年目であり、装置・設備面、さらにはポスドクを含めたGr全体の体制も整った。全体計画で想定している項目の殆どを立ち上げることができ、手応えのあるデータが得られ始めた。
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今後の研究の推進方策 |
〓In-situのXAFS測定で信頼性の高いデータが得られるように実験系を整備する。 〓ADF-STEMやXAFS測定を進めるにあたって、原子番号の接近している異種金属(PtとAuなど)の識別がどこまで可能であるか検討を進める。
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