研究課題/領域番号 |
22241030
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中山 知信 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (30354343)
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研究分担者 |
新ヶ谷 義隆 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (40354344)
久保 理 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (70370301)
富本 博之 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, NIMSポスドク研究員 (50515913)
徐 建〓 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, NIMSポスドク研究員 (40534798)
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キーワード | 多探針走査マルチプローブ顕微鏡 / 神経細胞計測技術 / 神経細胞模倣人工無機構造 / 単分子識別検出ナノプローブ / 増強ラマン散乱分光 / カーボンナノホーン凝集体 / チューニングフォークセンサ / イオン伝導計測 |
研究概要 |
本研究では、我々が保有する多探針走査プローブ顕微鏡技術と高機能ナノプローブ技術を駆使して神経細胞網の刺激と応答、すなわち信号伝達を計測する手法の確立と、神経細胞網を模倣した人工無機構造の構築を目指している。平成22年度は、研究の遂行に必要不可欠な装置の導入に加え、以下に述べる成果を得た。本研究の基幹技術である多探針走査プローブ顕微鏡(MSPM)において、二つの大きな発展があった。MSPMでは探針数が4本以上になると探針相互の位置関係の把握と調整が非常に困難となる。我々は、この問題を解決するためにMSPMの新しい動作モードと線用ソフトウェアを開発し、その実効性を確認した。また、従来のMSPMでは各探針が走査トンネル顕微鏡と等価な機能を実現していたが、本研究で取り扱う細胞試料やソフトマテリアル用に原子間力顕微鏡(AFM)と等価な機能を4本の探針に与えたい。そのため、チューニングフォークタイプのセンサを利用して、MSPMに最適な形のプローブを開発し、大気中や真空中のみならず液中においても安定なAFM動作を確認した。また、10^<13>-10^<14>ものラマン散乱増強度を実現する単分子識別検出プローブの作製プロセスに介在する極微量の金属不純物に依存して達成できる増強度が大きく変化する事を見出し、作製プロセスの改善を行った。イオン伝導計測用のCNTナノプローブを用いた神経細胞計測実験では、さらなるノイズ対策が必要である。神経細胞模倣の人工無機構造に関連して、オクチチオフェン分子による自己組織構造形成過程や、その形状が神経細胞の樹状突起と類似するカーボンナノホーン凝集体の特性を調査した。カーボンナノホーン凝集体が、可逆・非可逆な変形を伴う興味深い電気特性変化を示すことを新たに発見したので、これを利用したネットワーク状の伝導構造を構築する研究に着手した。
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