研究課題
基盤研究(A)
本研究は、次世代品質信頼性情報システムQRIS(Quality and Reliability Information System)の品質信頼性統合データベースIRSDB(Integrated Quality and Reliability DB)に蓄積されている状態監視データから、一定期間の条件を満たすデータを抽出し、データ同化技術を用いてQRISを開発し、製品一台一台ごとの最適点検・交換時点を各ユーザへ提供する理想的リスクコミュニケーションを図る。情報通信システムを個々の製品に既に実装している企業A社と「高品質・高信頼性モノづくり研究WG」を設置し、製品情報DBならびにIRSDBの分析を可能とする研究契約を締結し、信頼性・安全性研究センター設立の準備を行った。また、QRISの基盤となる下記の7分野に関し、研究代表者、共同研究者、連携研究者が、それぞれの専門の視点より検討を行った:1.統計数理科学分野、2.品質管理学分野、3.信頼性工学分野、4.情報科学分野、5.状態監視データモデリング工学分野、6.発見科学分野、7.安全科学分野。具体的な成果は、交換可能な消耗部品に着目し、消費し切る(故障に該当)前に、交換時点を種々のモニタリング値より予測するためのデータ同化の理論的検討である。消耗部品の交換時点はユーザの使われ方、過去の履歴、環境等が大きく影響する。データ同化技術を用いて、製品一台一台の観測値ならびに関連した観測値に同化して、製品一台一台ごとの予測モデルを更新・修正し、予測精度向上を為し得た。特に、予測モデルが直近の観測値により同化された場合、直近の影響を受けるため、ユーザの使われ方が単調減少または単調増大に近い場合は、ベイズの定理と最尤推定量または分散最小化推定量を求めることで予測モデルを精度良く更新・修正を行うことができた。
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Journal of Reliability Engineering Association ofJapan
巻: 32 ページ: 89-95
Technometrics
巻: 52 ページ: 209-220