研究概要 |
医療の質マネジメントシステムとは,質のよい医療を提供するための業務のやり方,仕組みである.医療の質保証を行うためには,組織的な質保証のための活動が必要になってきている・本研究では,従来申請者らが取り組んできた研究の成果を発展させることにより,医療の質保証を実現するための質マネジメントシステムモデルを構築し,その導入・推進方法も明確にして実際の病院に導入・推進することによってモデルの検証を行い,実用性の高い医療の質マネジメントシステムモデルを確立することを目的とする. QMSモデルを検討するQMSモデル班では,前年度に作成したQMS基礎モデルを5病院に適用し検証を行った.また,組織的改善の方法論である方針管理を導入・推進し,推進上の問題点,課題・目標の適切さ,達成度の調査を行い,医療における方針管理の方法論がいかにあるべきかを検討した. 導入・推進方法と教育体系を検討するQMS教育班では,昨年度実施した久喜総合病院への適用結果を分析した.また,導入・推進方法の改良原案を作成したので,新規に参加する2病院に適用し,その有効性を評価した.さらに,その適用結果を分析し,導入・推進方法の精緻化を図った. もう一つの課題であるQMS教育に関しては,昨年度教育プログラムの原案を試行したので,そこでの問題点を整理するとともに,改良案を作成し,3つの検証病院に適用した.また,昨年度の研究結果から,教育効果の測定方法,病院ごとの教育プログラム立案方法等が不可欠であることが明確となったので,その方法論についても検討し,やはり3つの検証病院に適用した. これまでの成果については,2012年3月11日にシンポジウムを開催して公開した.また,3年間のまとめとして病院の活動を出版化することにし,原稿作成を開始した.来年度は,これまでの検証結果を整理し,医療の質マネジメントシステムモデルを確立する.
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